産業とアプリケーション
納期遵守を求めるお客様の期待に応えることはモレックスにとって全社的な責務であり、パンデミックとその後の世界で発生している混乱の中であっても、それは変わりません。マルチエンタープライズ サプライチェーンネットワーク機能を大幅に拡張したのも、高度なネットワークベースのサプライチェーンリスク分析を組み合わせた受注処理アプリケーションを開発するためにインフォア ネクサスを採用したのもそのためです。いまだにオンプレミスのレガシーシステムに基づくソリューションが多い中で、モレックスは取引先のコミュニティをサポートする多対多のアーキテクチャを運用しています。こうした機能により、世界的供給が途絶するのではないかという脅威が絶えず付きまとう状況にも対応できるようになりました。複数の経路を通じた選択性をお客様に提供することで、お客様の納期やコスト目標の達成にも貢献しています。
そのすべては、インフォア ネクサス コントロールセンターを通じて、お客様の需要とさまざまな拠点における在庫をマッチングすることで実現します。ひとつの例をご紹介しましょう。お客様が、ある週に10,000個、その翌週も10,000個を必要としています。その在庫量がある拠点は、シカゴと日本の2カ所です。納期に対応するため、私たちは毎週それぞれの拠点から出荷し、このお客様の納期目標を達成することになります。一見、シンプルなソリューションのように思えますが、グローバルな選択性は実際には非常に複雑であるため、以前であれば、お客様のニーズを満たす選択肢について回答するのに30分要することもあったでしょう。 コントロールセンターを利用すると、最も関連性の高いリアルタイムの必要な情報が1つの画面に表示され、ほぼ即座に回答できます。
選択性がもたらすコスト面のメリット
インフォア ネクサス コントロールセンターが実現する選択性には、コスト面でも大きなメリットがあります。先ほどの例に戻ると、シカゴからの出荷の1回分となる10,000個が2カートン(半パレット)に相当するとしましょう。コントロールセンターが即座に仕向地別運賃を割り当てることにより、さまざまな出荷方法のコストを比較できます。この例では、早期配送のメリットが、追加で発生するコストを上回るため、お客様は早期配送を選ぶ可能性があります。とはいえ、この10,000個が2カートンではなく、トラック2台分になるほどかさばるものであったら、意思決定には別の計算が必要になることもあるでしょう。
インフォア ネクサス コントロールセンターによる可視化で、お客様は選択がもたらす実際の金銭的影響を把握できるようになります。$100,000の収益をもたらす完成品を生産するために在庫を早期配送すると$60,000の運賃が発生する場合、早期配送料をかけずに同じ在庫をもっと後で配送する別のスケジュールを、主要な変数に応じて検討できるでしょう。ただし、繰り返しますが、望ましい目的地に至る道は1つではありません。出荷の一部のみを早期配送にして、残りはすべて数週間後に配送することで、タイミングとコストの目標を達成できる場合もあります。この例では、コントロールセンターがリソースの賢明な利用を可能にし、費用対効果に優れた決定を導いています。
可視化 = 責務を果たすこと
モレックスのチームはインフォア ネクサス コントロールセンターを利用して、要求された数量や納期の根拠となる物流上の検討事項など、課題と機会の性質と範囲を明らかにし、納品できるもののみを約束するよう徹底します。
この可視化は初注文にとどまりません。コントロールセンターは、供給の混乱、出荷の遅れ、在庫不足といった問題に対するインサイトを提供します。そして、こうした問題に付随するお客様への影響を見極めやすくし、納期を守るための解決策となる選択肢を提示します。これらの情報をすべて一カ所で閲覧できるため、実行可能な決定を下しやすくなります。インフォア ネクサス コントロールセンターを利用すると、情報検索や分析に要する時間を短縮し、問題解決や選択性、コミュニケーションに集中できるようになります。こうした可視性とコミュニケーションの向上は、多くの場合、お客様の安心につながります。
輸送中の貨物だけでなく、「処理中」の貨物も包括的に表示するインフォア ネクサスは、高度に統合されたフル機能のサプライチェーンコントロールプラットフォームを実現し、モレックスの重要な部門やお客様に対してエンドツーエンドのサプライチェーンの可視性を提供します。コントロールセンターがもたらす可視性のおかげで、ネットワーク全体における製品、材料、注文、需要の処理中フローを明確に把握できます。販売注文、納品書、出荷、購入・在庫輸送注文、商品受領書、ライブ航空・海上機能などのシステム取引と出荷情報の統合は、エンドツーエンドでリアルタイムに近い表示を実現します。それがすべて、唯一の真の情報源で構築されています。このデータにより、コントロールセンターは顧客中心の意思決定を独自に推進し、世界中のモレックスの工場と配送センターでロジスティクスと貨物を最適化できます。
リーン生産方式では、作業効率が求められます。作業効率は、より良い意思決定から生まれます。より良い意思決定は、コントロールセンターによって強化された可視性に基づくものです。これにより、モレックスはコストをコントロールしつつ納期を遵守できます。そのすべては、サプライチェーンの機敏さを促し、モレックスとお客様の相互利益を促進することが目的です。