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モレックスサプライチェーンレポート:ロサンゼルス港とロングビーチの港における混雑への対応

コロナが世界中に広がり始めてから2年近く、企業と消費者はサプライチェーンの混乱の影響を受けています。荷物はサンペドロ湾にあるロサンゼルス港とロングビーチ港に殺到し、積み残しが米国全体に影響を与え、国際的な波紋を引き起こしました。

ロングビーチ港は、2021年の最初の9か月で700万TEU(コンテナ荷扱量の単位、5.9mx2.3mx2.3m)以上の荷物を扱い、これは、2020年の同時期と比べて24.3%増でした。この港は年末までに900万TEU以上を扱うペースで稼働しており、現在最高記録の昨年の810万TEUを超える勢いです。10月13日、船舶追跡ウェブサイトのマリントラフィックは、50隻以上のコンテナ船がロングビーチとロサンゼルスの外で荷下ろしを待っていると報告しました。9月にはその数は70隻にも達しました。この先例のない港の混雑はサプライチェーン内での残業を必要としました。

貨物の増加は2022年までは続くと予想されています。

殺到する需要

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港への大量の荷物は、購入活動の急増の直接的結果です。レストランや旅行業界などの一部の市場はパンデミックによって悪影響を受けていますが、その他の市場は人々が自宅で忙しくする方法を見つけた結果、驚異的な成長を見せています。たとえば、おもちゃ、ゲーム、スポーツグッズはコロナ前のレベルから74%成長し、家電の購入も49%増加しています。

最近では、人々がオフィスその他の職場へ戻り始め、オフィス機器と空気清浄器の需要が急増しています。さらに、ホリデーシーズンであることから、専門品の輸入の増加も加わり、ハロウィンやクリスマスのデコレーションアイテムなどが海上輸送されました。

渋滞を取り除く

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ロサンゼルスとロングビーチの港は未処理分を片付けるべく、重要な当事者である、ウォルマート、ターゲット、フェデックス、UPSなどの企業リーダー、ロサンゼルスとロングビーチ両方の港湾当局のディレクター、そしてインターナショナルロングショア&ウェアハウスユニオン・チームスターのリーダーたちの助けを得て年中無休24時間体制で昼夜を分かたず対応しました。

これは港への救済となりました。しかしコンテナが陸にあがると、別の思わぬ障害がサプライチェーンを詰まらせました。熟練港湾労働者、トラック運転手、鉄道員の不足です。デルタ変異株は労働力不足の一因となりましたが、早期退職、特にトラック運転手の早期退職にも影響しました。

運転者不足と規制により、トラック運転手が、空になったコンテナを返却する約束を取り付けることが難しかったために、数千の空のコンテナがサンペドロ湾の港に置かれ、多くは道路上にさえ置かれました。

さらに、サンペドロ湾に留まる船の蓄積を減らすためのプレッシャーがとてつもなく高くなりました。港の新しい24時間年中無休運用計画の一部で、彼らはカーゴのオーナーを特定するための「プッシュシステム」を採用し、彼らからコンテナを回収するという言質を取り付けました。これはライナー船会社から、返却された空のコンテナと同数の輸出をすることへの約束を得ること意味し、それによりトラック運転手に、荷物を納品してすぐに帰りの荷物を受け取ることができる往復の経済性を与えることになります。

野性的な西部を飼いならす

モレックスは米国西海岸の港の混雑の影響を軽減するためのステップを講じています。1つめに、現地の短距離輸送パートナーは、サンペドロ港の状況を監視し続け、ターミナルからコンテナを回収する最初に取れるアポイントメントを確保します。さらにモレックスは、モレックスのシャーシを導入することの実現可能性を、現地の短距離輸送を拡大する潜在的オプションとともに検討します。

即時輸送戦略

現在の世界的なサプライチェーン問題の影響を軽減するためのモレックスの対応には以下が含まれます。

  • 戦略的パートナー関係を結び発展させる
  • 可能な場合は在庫を作り、不確実なリードタイムを吸収する
  • 物流予測と計画を改善する
  • 容量アクセスを拡大するため、供給拠点を多角化する
  • 実際の移動に要する時間を反映して、SAP内のルートコードを更新する

長期的な対応

モレックスは、将来における出荷の遅延を避けるため、以下のような予防的ステップを取っています。

  • 小さめの港への、緊急の少量出荷の代替ルートを開拓する
  • たとえば、成都からシカゴやデトロイトではなく、成都からシアトル、ロサンゼルス、またはタコマなど、ポートツーポート(PTP)サービスを開発する
  • 港から内陸の地点へ輸送オプションを見直す
  • 長期的ビジネス関係とRFQサイクルを活用し、価格設定とサービスの混乱を軽減する
  • プレミアムサービスを導入し、容量を保証し、輸送時間が重要な場合に積み込みの遅延を避ける
  • サプライヤー基盤をすべての海上、短距離輸送、および陸上輸送サービスへ拡張する
  • 継続する高い輸送量、容量の逼迫、コスト圧力を管理するため2021年末までの代替手段を評価し、シナリオプランを開発する
  • コンテナの引き上げ、積み下ろし/返却をより迅速に行いコンテナの未処理業務の削減を支援する
  • 長めのリードタイムと計画期限の延長を検討し、可能な限りプレミアム出荷を避ける
  • DrewryやXenetaなどのベンチマークソースを採用し、市場のダイナミクス、スポット価格や長期価格設定の傾向についての最新情報を取得する

モレックス人員による予防的ステップ

モレックスの製造工場および顧客サービス社員は、港から中西部への陸上のトラック輸送を含めすべての輸送が逼迫していることを認識することにより輸送の混乱の影響をさらに軽減します。その結果、顧客に継続的な状況と、モレックスは保税倉庫の動きに関し2つの自由貿易圏(FTZ)の規則を遵守しなければならないという事実を常に把握してもらいます。

モレックスの工場および顧客サービスチームもまた、当社の顧客と提携して、生産のための追加リードタイムについての計画を作成し予測を提出しなくてはなりません。さらに、緊急輸送とラインがダウンしている状況についての当社輸送チームとのコラボレーションはコスト効率の良い代替ソリューションを実装する上で鍵となります。

グローバルリスクのリアルタイムなモニタリング、評価、および対応は、サプライチェーンの弾力性と機敏さは当社顧客の運用と市場投入までの時間のスケジュールにとって極めて重要であるという当社の鋭い認識により推進されます。不安定なサプライチェーンの状況が進展するにつれ、モレックスは積極的に状況をモニタリングし、グローバルサプライヤーとしての当社の経験を活かして、クラス最高のリスク軽減策を適用します。