産業とアプリケーション
品質に焦点を当てる
製造部門では、製品が顧客の期待に応え、信頼性と性能の高い標準を維持するために、品質管理(QC)が不可欠です。この重要なプロセスは、仕様を確立すること、業界のベストプラクティスに従うこと、標準化されたシステムに厳格に準拠することを多次元的に組み合わせて、欠陥のない製品の提供をサポートします。
QCエラーや見落としがあると、顧客の信頼を失い、ブランドの評判が地に落ちる可能性があります。逆に、効率的なQCメソッドを使用すると、組織が顧客体験を向上させ、コストをより効果的に管理し、無駄を最小化することに役立ち、評判の低下や、不満足な製品に伴って発生することが多い賠償責任を避けることができます。
効果的なQCプロセスでは、異常が検出され、将来の問題を避けるのに役立つデータドリブンのインサイトが得られます。そのため、組織のQCプログラムでは、多くの場合、さまざまな角度からの評価を反映した全体的な視点を得ようします。対象の製品によって、QC対策に以下が含まれることがよくあります。
- 総合検査
このアプローチでは、製造の実施を完全にしてドキュメントを追加することを前提に、完成品の検査によって品質を保証します。上流でのサンプリングが行われる場合もありますが、通常、最終検査で対象のロットまたはバッチの承認が決定されます。 - ワークステーション検査
製品が複雑な業界では、多くの場合、部品が次のワークステーションまたはプロセスステップに進む前に作業者が部品を検査します。 - 統計的レビュー
このアプローチでは、生産プロセスのスケジュールされた時点またはランダムな時点で、製品のバッチがサンプリングされ、評価されます。このサンプリングと統計解析で欠陥を検出するには、製品の品質が、既に一定期間、比較的一貫していることが必要です。
総合的品質管理(TQM)は、広範なパラダイムを表し、次のようなアプローチを含みます。チームメイトをトレーニングして重要な点を特定できるようにし、情報に基づいて最終結果の最適化に役立つ介入の権限を与えることによって、組織全体のカルチャーに品質の考え方を浸透させることが目標です。今日のTQMプログラムはますます技術主導になり、品質インサイトを強化するデータ管理プラットフォームにリンクできるようになってきています。
イノベーションにおける業界での認知度を高める
モレックスは、自社のTQMイニシアチブを絶えず評価しレベルを高めて、他に例のない顧客体験をサポートしているため、QCへの取り組みを促進するためのプロジェクトワークに対して2024マニュファクチャリング・リーダーシップ・アワードを受賞したことは大きな誇りです。
全米製造業者協会のデジタルトランスフォーメーション部門である米国製造業リーダーシップ評議会が授与するマニュファクチャリング・リーダーシップ・アワードは、デジタル製造への移行を大きく進めた組織に与えられます。このアワードは、2024年で20回目ですが、先進的な製造技術の使用を切り拓いたことによって、最もすぐれた製造会社とそのリーダーに与えられます。
2024年のアワードプログラムでは、プロジェクトとして9分野、さらに個人2分野が注目されました。ノミネーションは、業界経験が豊富なデジタル製造の専門家の外部委員会によって審査されました。プロジェクト分野の審査員は、対象のイニシアチブが、製造プロセスの改善、ビジネス目標の促進、企業戦略の進展に与えた影響を評価しました。審査員は、デジタル技術の適用レベルも考慮しました。
効率向上のためにTwinaxを目標とする
モレックスのイニシアチブは、データ分析を適用して、2022年にオープンした60,000平方メートルのモレックス・グアダラハラ工場で、QCに関連する生産オペレーターの効率を変革し改善した功績により選ばれました。このイニシアチブ(正式名: Twinaxケーブル生産オペレーター変革プロジェクト)は、デジタルネットワーク接続アワード分野の受賞者として特に選ばれました。
当初、プロジェクトは、モレックスの主要な製造プロセスのデータ主導の改善を計測するためのテストの役割でした。評価はTwinaxialケーブリング(Twinax)に関連するものですが、その成果は他の多くの製造オペレーションに適用できます。実際、もともとグアダラハラ工場でのパイロットプロジェクトでしたが、その全体的なプロセスはそれ以降、QCコミットメントに関連した幅広い製造オペレーションのキーコンポーネントとして、モレックス全体で採用されています。
Twinaxがパイロットプロジェクトで使用するように選ばれた理由は、従来からこの製品が品質で評価されていたからです。Twinaxケーブルアセンブリーは大きなリールで保管され、各リールには約21,000フィートのケーブルを収納できます。これは、約4マイル(6.5キロメートル)、ほぼアメリカンフットボールのフィールド60面に相当します。アルミニウムや銅のワイヤーを巻き付けると、これらの金属や木材のリールは数百ポンドの重さになります。
通常、多くのQC測定が実施されてTwinaxケーブルの品質が評価されますが、このプロジェクト以前は、すべての重要な物理評価の構成要素に生産オペレーターが関与して、各大規模リールの外側の端から製品サンプルを取って評価していました。リール内部のケーブルの部分は遠くにあって目視できず、低品質のケーブルがサプライチェーンの下流に流れる確率が高くなっていました。
リアルタイムのインサイトの立ち上げ
Twinaxケーブル生産オペレーター変革プロジェクトにより、手動のQC手法がリアルタイムの技術主導プロセスコントロール システムに置き換わりました。この新しいアプローチでは、オペレーターが常に評価できる詳細で多量の製品データを収集します。これにより、エラーの検出が速くなり、迅速に生産ラインの調整ができるので、その後の製品の問題、欠陥、ばらつきを防ぐことに役立ちます。
これらの継続的でデータ主導の品質インサイトがすべての対象リールのTwinaxケーブルの端から端まで得られるようになってから、オペレーターは物理検査の時間を半分に減らすことができ、即座に懸念点がある製品バッチを隔離できるようになりました。
モレックスは、コーク・インダストリーズのプリンシプル・ベースト・マネジメント(PBM)アプローチの上に築かれた品質と協力のカルチャーに誇りをもっています。このアプローチにより、個人やグループに意思決定の権限があたえられています。この環境により、グローバルな様々な分野のチームワークやお客様とのコンサルティングを含めたやりとりが可能になり、継続的な品質向上に役立つ集中的な気づきがサポートされます。
モレックスのチームは多パラメータのシミュレーター、厳格な検査基準、最新のテクノロジーツールを使用して、製造性を考慮した設計、最高度の均一性、一貫して優れた製品品質を実現しています。次のような既存の機能があり、お客様に提供しています。
- モレックスのグローバル信頼性試験ラボ。ここでは、専用の装置からデジタルシミュレーションまで、品質に焦点を当てた包括的な製品評価技術を提供しています。
- モレックスのサプライチェーン オーケストレーション イニシアチブ。ここには、全体的な品質体験を最適化して、当社のコラボレーターがタイムリーに競争に勝てるようなリアルタイムのインサイトを備えたチームがいます。
- 当社の新しいオートモーティブ仮想ショールームのようなデジタルでオンラインの先端ツール。これらは、お客様のインタラクティブな体験のレベルを上げ、高品質の製品の選択をサポートする最新技術を利用しています。
設計、製造、納品プロセスのすべての段階で、すべてのレベルを通して、モレックスは最高品質と優れた顧客体験を確保するインサイトがあるチームを整備することを目指しています。2024マニュファクチャリング・リーダーシップ・アワードの受賞は、これらの献身的で継続的な努力が実を結んだものです。
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