産業とアプリケーション
アメリカ合衆国イリノイ州ライル – 2025年11月4日 – , エレクトロニクスで世界をリードしコネクティビティの分野で革新を続けるMolexは本日、業界初、4列シグナルピン配列、電磁干渉 (EMI) 遮蔽シールドを使用した省スペースコネクター、Molex Quad-Row Shield Connectorを発表いたしました。シールド付きQuad-Rowコネクターは、非シールドQuad-Rowコネクターよりも最大で25dBのEMI低減を達成。スマートウォッチその他ウェラブル機器やモバイルデバイス、AR/VRデバイス、ノートパソコン、ゲーム機、家電等のスペースに制約のあるアプリケーションに理想的な製品です。
「シールドなしでは、近傍のコンポーネントや離れたデバイスから放出される電磁ノイズによる妨害に対してコネクターは脆弱であり、信号劣化やデータエラー、システム誤動作などを引き起こしてしまう可能性があります。これは特に高速伝送アプリケーションや繊細なアプリケーションの場合に顕著です。従来は、電磁干渉を緩和するにはコネクター外部にシールドを設けるか、デバイス側に複雑なグランド設計ソリューションを組み込む必要があり、設計の複雑化やサイズ、コスト等の込み入った問題を伴いました。新しいQuad-Row Shieldでは、信頼性とシグナルインテグリティが向上すると共に設計柔軟性やスペースの最適化が実現しており、以前のような設計や性能に関わる課題を解決することが可能です」と、MolexのMicro Connectorsに所属するTaekeon Parkは述べています。
ピンの千鳥配列と内蔵EMIシールドで、2.4 ~ 6 GHz以上の周波数帯におけるEMIの課題解決をねらう
2020年7月に初めて発売した、Molexの特許取得済みQuad-Row 基板対基板用コネクターは、2列コネクターよりも30%小型化して業界に大きな影響を与え、また本コネクターは省スペース化における業界標準となっています。新しいQuad-Row Shieldコネクターは、市場で実績あるQuad-RowのレイアウトをベースにEMIシールドを追加した構成です。電磁干渉 (EMI) と無線 (RF) 干渉を緩和すると同時に、無用なノイズを生じるシグナルインテグリティの問題にも対応し、シールドなしのQuad-Row製品よりも最大で25dBのノイズ低減を達成しています。 新しい内蔵EMIシールドは、スペースの制約の上に安定したエラーフリーの信号性能が確実に求められるデバイス設計において不可欠の付加価値となります。
次世代コンシューマーエレクトロニクスの新たなスタンダードに
Molexは長年にわたり、大手のデバイスメーカーやゲーム機器メーカーの製品開発者との協働を続け、新たなEMIシールドの開発も含め、各社製品の継続的な性能向上を支えてきました。Molexは顧客企業の開発チームの方々と共に、信号干渉や定格出力の増加といった最も重要な要件に応え続けてきましたが、特にこの新製品では、1個のコネクターとして、80個のシグナル接続、4個の電源接続を達成しています。新しいQuad-Row Shield コネクターの電源入出力ピンは、基板対基板用コネクター1個あたり最大80ピン構成に対応可能です。さらにSパラメーターの入力仕様は信号80ピンに対してカスタムでの割当が可能です。
際立つ革新性を備えたEMIシールド内蔵コネクター、Quad-Row Sheildは、電磁干渉を大幅に低減し、厳しいEMI/EMC基準を満たしており、規格適合試験に関わる負担を低減し、製品承認までの時間短縮を実現します。このシールド機能によって通信エラーが解消することで、システムのスムーズな運用とメンテナンスの負担軽減につながり、システム全体の稼働時間も大きく向上します。
本製品の提供予定
MolexのQuad-Row EMIシールド内蔵コネクターは現在、問い合わせを受け付けており、正式な販売は2026年Q2以降を予定しています。
Molexのコンシューマー & コマーシャルソリューションについて
Molexは、コンシューマー・エレクトロニクス・デバイスのエコシステム全体を網羅する、5G、ミリ波、無線、シグナルインテグリティ、アンテナ、電力、カメラ、ディスプレイ等の分野における専門知識を活用し、長年にわたって重要な接続製品を供給しています。高精度化、大量生産、小型化によって、ダイナミックな世界市場の需要に対応し、また同時に大手デバイスメーカーとそのサプライヤーに向けて、現時点で最も小型かつ高密度を実現した最先端のコネクターを提供しています。