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人工知能の第三の波に乗る

1956年の誕生以来、人工知能(AI)は「次のブーム」と言われてきました。長年を経て、AIは、自動車から電気・ガス・水道、エネルギーに至るまで、一般的なアプリケーションや垂直アプリケーションに対するツールとして進化してきました。
現在、AIは至るところに見受けられ、私たち個人の生活に関与し、さまざまな業界の事業のやり方を変化させています。今、コンピュータは周囲の環境の原因と結果を結びつけ、パターンを認識して新しい提案をすることができます。例えば製造業では、アセンブリラインのコンピュータービジョンシステムを使用して、品質上の欠陥をリアルタイムでピンポイントの正確さで分析できます。このような理由から、そしてその他の理由から、私たちはAIが商業的に利用可能で、新興のテクノロジーだと確信しています。

AIの能力のクイックガイド

AIは、機械が経験を通して学び、人間のように推論して、感知して知識を構築できるようにします。企業ベンチャー部門であるモレックスベンチャーズは、AIアプリケーションで使用される最も一般的なテクニックを特定し、これらの能力を達成しました。

  • 学習。多くのAIアプリケーションで学習に使用されている最も一般的なテクニックは、機械学習です。これは、ゆっくりと複数の部分を縫い合わせて生地を作る針のように作動し、コンピュータの学習能力を加速する複数のアルゴリズムで構成されています。
  • 推論。AIでは、コンピュータが利用可能なデータから論理的な結論を導き出し、予測するために推論が欠かせません。モレックスベンチャーズでは、オフラインでのリアルタイムのデータプロセッシングを可能とするため、エッジコンピューティングがAIを実現するために重要であると確信しています。
  • 感知。AIは、コンピュータが膨大なデータを感知し、検出し、使用して、知的な決断を行えるようにします。センサーが環境の変化を検出し、他のエレクトロニクスにその情報を提供します。AIには、インサイトを処理するために必要なデータストリームを提供する、正確なセンサーが必要です。

AIの未来に備える

AIの過去・現在・未来には、国防高等研究計画局(DARPA)が説明している通り、「3つの波」があります。第1の波ではルールベースのシステムが開発されました。第2の波は統計的学習で、現在はこの第2波にあります。それぞれの波が、より多くの商用ユースケースとアプリケーションを可能にする能力を示しています。

モレックスでは、AIの第3の波に向けて準備しています。そこでは、コンピュータが因果関係を理解し、背景的な推論を行うことが可能となります。言い換えると、コンピュータが周囲の情報から原因と結果を結びつけることができるようになるということです。コンピュータがパターンを認識できるだけでなく、決断を説明し、新しい提案をすることができるようになるのです。
モレックスでは、AIが埋め込まれた製品の未来は想像以上に近くに迫っています。新製品開発の際には、AIソフトウェアが性能や顧客の選好のデータに基づいて、新製品の機能を推奨することを予測しています。製造では、品質システムが製品の不具合を予測し、完成品の設計を開発する前に、製品の設計・製造で行える対策を推奨します。
データ、物理学ベースのモデル(古典力学の物理的世界を説明できるモデル)、人間の判断を効果的に取得して、機能中のAIシステムに統合できるAIモデルはありません。しかし私たちは、今後数年間で、これまでには想像もできなかった能力をもたらす、新しい学習メソッドに向けたソフトウェアが利用可能になると予測しています。つまりAIの第3の波に乗ることで、業界そして顧客の最も難しい課題を解決する方法を、より良く理解することができるのです。

モレックスの予測:

  • グーグルやアマゾンなどの汎用ソフトウェアプラットフォームは、業界にとらわれない垂直サービスに対する商品プラットフォームプロバイダとなる。業界にとらわれないソリューションを展開する企業は乗り遅れている
  • 業界を特定した問題を解決するために設計されたAIモデルは、AIイノベーションの新しいソースとなる。同時に、プラットフォームの有用性、異なるデバイスに対応する能力、アーキテクチャのスケールアウトのしやすさを実現するアーキテクチャが価値を生み出す。
  • 増大しているポピュレーション・ヘルス・マネジメント(集団としての人々の健康増進や疾病予防を働きかけるアプローチ)のプラットフォームは、医療の効率性と正確性を推進するために必要不可欠となる。患者のスケジュール管理とバックオフィス業務を行うプラットフォームが、まず最初に最も勢いを増し、次に、診断用ソフトウェア機能が牽引していく。AIが、医師の受診なく診断を受ける診断機能を備えた、簡易迅速ケアデバイスを加速させる。
  • AIが、製造能力を拡大し、ひいては完全に自動化された施設が作られる。新規の品質システムが製品のトレーサビリティを自動化し、対策を提供する。需要システムが、リアルタイムの価格設定と能力計画を用いて供給と見合うようになる。CADとプリント基板(PCB)設計の進歩によって、エンジニアリングと製造にかかる時間が削減され、信頼性が改善する。