産業とアプリケーション
「設計エンジニアが今設計しているものが、明日には最も革新的な製品となる。未来はそうやって形作られていくのです」と、モレックスのデータコム&スペシャリティソリューション部門SVP兼プレジデントであるアルド・ロペスは語ります。「本グローバル調査では、エンジニアが、新しい設計ツールやデジタル技術を活用して課題をクリアし、世界トップクラスの製品の提供を加速させながら、どのようにしてスキルを多様化させているのかに重点を置いています。」
モレックスおよびデジキーエレクトロニクスは、ディメンショナルリサーチに委託し、設計エンジニアまたは設計エンジニアリングチームの管理者として製造会社に勤務する528名を対象に調査しました。米国およびカナダ、中国、ドイツ、日本、英国の調査回答者から、エンジニアのキャリアに影響を与える機会や障害に関するインサイトを収集しています。サマリーレポート、「設計エンジニアの声:混乱の時代におけるイノベーションの推進」には、短縮化する製品設計サイクルやダイナミックな市場の要求の高まり、永続的なサプライチェーンの制約などに適応していく上での、設計エンジニアリングプロセスの進化やツールおよびチームに関する実用的なインサイトが記載されています。
主な調査結果:
- 回答者の57%が、過去5年間で設計チームの規模が拡大したと回答、また、人数が増員されたと回答したのは52%
- 58%が設計サイクルの加速化を指摘しており、さらに43%が、勤務先の設計会社は納期前納品を行う傾向が強いと回答
- 53%が、成果を上げるために迅速かつ継続的な改善および納品方法を採用
- 「メーカースペース」または試験室、イノベーションセンターにアクセスして実験を行っていると回答したのは88%
スキルおよび専門性
同調査によると、回答者の66%が、数年前と比較して、勤務先の設計チームの平均的な経験レベルが上がった、と回答しました。さらに、専門分野における高い専門性に加えて、多様化したスキルセットに対するニーズが高まっていることも分かりました。調査参加者による、一般的設計エンジニアが改善すべきスキルの分野は、サプライチェーン管理(40%)、ピープルスキルおよびチームスキル(39%)、デジタル技術(37%)、新しい設計ツール(32%)、AIまたは機械学習(28%)、ユーザー体験およびフォームファクター(25%)となっています。
また、製品設計に革新的なデジタル技術を導入することを最も歓迎したのは、若い女性エンジニアでした。ミレニアル世代のエンジニアが、財務関連の知識(33%)やAIまたは機械学習(39%)などのスキル強化に最も関心を示した一方で、X世代はそれぞれ14%と32%、ベビーブーム周辺世代は10%と16%という結果になりました。回答者のほとんど(81%)が現在従事する業界に留まることを希望したのに対し、他業界への転職を希望したのは13%でした。
障害と機会
設計エンジニアは自身の役割の重要性を認識しており、85%が承認後の最終設計に対して責任を負っていると感じています。設計エンジニアにとっての最も難しい課題として、サプライチェーンのリスクに関する理解(34%)がトップに挙がり、以降、部品や材料の入手(30%)、新しい技術の習得(24%)、製造のニーズと顧客の要求の調整(24%)が続きました。
また、回答者の59%が、ベンダーの選択に関して、柔軟性の高い裁量権が与えられている、と回答しています。サプライヤーとの関係において最も重要な事柄として、サプライチェーンの信頼性(54%)、エンジニアリング関連のサポートおよび助言の入手(43%)、魅力的な価格設定(38%)が上位に挙がりました。長引くサプライチェーン不足により、エンジニアは、製品設計において、代替材料を選択する(59%)、生産量を最低限に留める(43%)、予定されていた機能を除外する(40%)などの対応を余儀なくされています。
グローバルな目線で地域にフォーカス
世界中の設計エンジニアが同様の考えを共有した一方で、とりわけ中国の回答者においては、チームの規模(94%)と経験レベル(97%)に大幅な増加が見られました。また、世界の他地域と比較して、納期前納品を行う可能性は2倍に達しています(92%に対し世界は43%)。上位に挙がった課題として、日本の回答者は、適切なテスト計画の必要性を優先事項に挙げており(31%に対し世界は21%)、また、日英2か国の参加者は、必要な品質の提供に注力していることが分かりました(英国28%、日本26%、世界20%)。回答者の圧倒的多数が、技術的専門知識と同様にコラボレーションスキルの重要性を認識しており、中でもドイツは、高まるコラボレーションレベルの管理の必要性を最優先事項に挙げています(19%に対し世界は11%)。