産業とアプリケーション
急速に変化するグローバルなエレクトロニクス製造業界にあって、メーカーが競合上の優位性を得ようとするならば、新製品は卓越した品質で迅速に発売されなければなりません。モレックスは、革新的な製品を迅速性と機敏性を持って導入することに注力すると同時に、品質、コスト、市場リスクにも注意を払います。
新製品導入(NPI)に関して、モレックスのマントラは「最初から正しく行う」です。「言うは易く行うは難し」と言いますが、モレックスのデジタルトランスフォーメーションに対するコミットメントは、最初から最後まで当社の基本的な機能を単純化し、強化することです。それが私たちがデジタルトランスフォーメーションにチームとしてアプローチしている理由です。一歩離れて過去の成功を評価し、改善すべき分野を特定し、今後、改善された成果を推進するための一連のアクションにおいて共同作業を行います。
ベストプラクティスと自動化プロセス、最先端のツールの開発には、すべての部門の事業分野からの参加と新製品の導入(NPI)、製品開発、製造およびオペレーションを変革させることへのコミットメントが必要です。最初から全員を関与させることができるよう、私たちは、取り組みを調整して次のステップへと調和させる上で役立つ組織的変更管理(OCM)のサポートを得ています。
まず人、次にプロセス
モレックスの組織的変更管理シニアリーダーのリサ・ラニエは次のように説明します。「人々は全体的な概要について知りたがります。彼らにとってそこに何があるかを知りたいのです。最初に人々の気持ちと心を掴まなければ、彼らを失ってしまいます。」
このアドバイスに従うことは簡単です。私たちはまず人々に焦点を当て、それからプロセス、次にツールと進めば良いのです。全体的なビジョンを伝え、この作業が各チームメンバーにとって何を意味するかを伝えることが、すべての人の参加を得て、組織全体に作業を波及させていく助けとなります。たとえば、私たちは新製品導入(NPI)のデジタル化がすべての部門にどのように影響するかを示す「人生のある一日」というビデオを作成しました。私たちは点と点を結び付けるために努力し、レベルの高い付加価値サービスを世界中の顧客に提供する力を、全員にどのように与えるかについて説明しました。
変化を正しい形でソーシャライズすることで、製品開発、製造、オペレーションチームを包含する組織全体での機運を高め、変化への賛同につながります。これは、経験豊富な熟練者と若手のエンジニアの両方が、変更によりどれだけやりやすくなるか、どれだけ仕事が速くできるか、どれだけ顧客ニーズにより良く応えられるかを直接知ることができる、ということを意味します。
顧客との関係性は信頼に基づく
より迅速で効果的な製品開発のために重要となるもう1つの前提条件は、顧客の声を聴き、完全に理解する能力です。新製品導入(NPI)を成功裏に実行するには、顧客要件は何が実現可能であるかに基づかなくてはならず、これはサプライヤーと顧客の間の率直なギブアンドテイクから生まれてくることが多いものです。要件と提案された解決策の両方が、普遍的に理解され、受け入れられている形で伝わるようにするため、これらの会話には適切な人々を参加させるようにします。信頼に基づき働くことは極めて重要です。顧客と常に息が合った状態を維持することは、この戦略のポイントです。
今日、モレックスのビジネス活動は、数百という異なるプロセスとツールへと拡大していますが、デジタル化による私たちの目標では、最も重要なものを全体的な製品開発手法に統合し合体させることが求められます。私たちは去年のかなりの時間を費やしてそれぞれの基盤部分を調査、探求し、標準となる調整されたプロセスと自動化されたワークフローのための、唯一の真の情報源を提供するには、どのテクノロジーとどのデータ資産が必要であるかを判断しました。
組織的変更管理(OCM):デジタルトランスフォーメーションをつなぎあわせるもの
私たちの当初のすべての努力により、モレックスは、よりよい新製品導入(NPI)の成果を推進するために、最も必要なものは何であるかを私たちに教えてくれる、その唯一の真の情報源への軌道に乗ることができました。私たちはこれらの進歩を喜んでいますが、この最終的な勝者は顧客であることを認識しています。顧客は新製品をより速く入手し、イノベーションを通じて競争上の優位性を得て、彼らのエンドカスタマーにもっとシームレスにサービスを提供できるようになります。
同様に重要なことは、組織的変更管理(OCM)活動においてさまざまな形で、私たちがデジタルトランスフォーメーションの全体的ビジョンと整合していることを検証し続けることが、モレックス全体で変革への熱意の維持に役立ったことです。OCMは、私たちのデジタル作業をつなぎあわせるための糊の役割を果たします。このために、当社は約70名からなるトランスフォーメーションネットワークを構築し、メンバーは1か月に2回会合してメッセージ発信を見直し、会社全体の変化に対する抵抗について議論し、私たちが向かう方向とそれが全員にとって重要である理由について伝える最善の方法について戦略を練ります。
OCMチームは現在、「人生のある一日」というビデオシリーズをモレックスのデジタル化作業の他の面についても拡大しようと計画しています。今後のビデオではどのようにトレーニング、品質管理、NPI、その他のビジネスにおける基本的分野を行うかについて説明します。
今後私たちは、何百ものプロセスを定義し、洗練させ、変革していきます。当社のITおよびテクノロジーチームはワークフローについて同じことを行うと同時に、デジタルトランスフォーメーションを可能にするためのインターフェースを作成します。私たちは現在、当社の2つの重要なバリューストリームである、製品開発チームのための製品開発トラックと、当社のグローバルな製造施設を含む製造オペレーショントラックについて作業を行っています。
私たちは近く受入テストのための試作品の導入に向けてスケジュールどおりに進めており、その後、新たに改善され、十分に調整された当社のNPIプロセスをグローバルに展開していきます。