電子機器業界の進歩によって、ANCテクノロジー（一般にはハイエンドヘッドフォンでよく知られている）が可能となり、自動車メーカーがロードノイズに対処する方法を変貌させました。過剰なロードノイズから車内を防音するために高価で重い吸音素材を取り付ける代わりに、ANCセンサーは自動車のシャーシに取り付けて、より正確かつ効率的な結果が得られるように設計されています。ホイールウェルと自動車のフレームに取り付けるデバイスとして、過酷な条件にも耐えるように作られていなければなりません。

「モレックス交通ソリューション事業部のVP兼ゼネラルマネジャーのキャリアンヌ・ピッカードは「電気自動車への移行が進む中、ロードノイズの軽減は重要なことになります。現在は内燃機関で抑えられています」と述べています。「長年にわたって自動車業界に関わってきて、独自の地位を確立しているモレックスは、安全で楽しい運転体験を可能にしながら、ロードノイズを捉えてキャンセルする、パワフルで耐久性に優れたセンサーを開発する位置にいます。」

モレックスが先ごろ委託された「オートモーティブ調査の将来」によれば、2030年には10台中9台の自動車がハイブリッド車または完全電気自動車になります。事実、この調査の回答者は電動化・接続・センサーテクノロジーを最も重要なイノベーションと回答しています。それら回答者はまた、イノベーションの障壁としての過酷な条件での電子機器とソフトウェアを作動の必要性にももさせることの必要性にも言及しています。

過酷な条件での優れた性能
モレックスのANC加速度センサーおよびマイクロフォンセンサーのファミリーは、アナログデバイスのAutomotive Audio Bus®（A2B）テクノロジーを採用し、配線の複雑性・コスト・重量を著しく低減しながら、高忠実性音声を確実に実現します。センサーをA2Bネットワークにペアリングすることで、モレックスは、ノイズシグナルを2ミリ秒未満で処理装置に送信します。このセンサーでは、インテグレーションコネクターがデイジーチェーン接続され、インテグレーションを簡素化するとともに、ケーブルの重量を最大30％削減しています。モレックスのMini50™コネクターファミリーから派生したこれらのコネクターは、従来のUSCAR 0.64コネクターと比較して最大50％のスペースの節約になります。

さらに、モレックスのセンサーはIP6K9Kエンクロージャーを含む、様々なハウジングで利用でき、過酷な条件での優れた保護性能を確保しながら、ロードノイズに一番近い場所に配置することができます。音源位置で音を検出することでノイズキャンセリングシグナルのプロセッシングを高速化。さらにA2Bテクノロジーでは、チェーンごとに処理するシグナルの処理量を大きくできます。市場の他の製品とは異なり、モレックスのセンサーは、低速で運転する際のロードノイズも測定してキャンセルできるほど感度が高く、設計者は、エンジニアリングを簡素化しながら、センサーの配置場所をより柔軟に考えることができます。

アナログデバイセズ社の自動車接続担当シニアディレクターのVlad Bulavsky氏は、「アナログデバイセズは、モレックスと提携し、アナログデバイセズのA2BネットワークとMEM加速度センサーテクノロジーに基づいた、低レーテンシーANC/RNCセンサーを市場に出せることを嬉しく思っています。」と述べています。「私たちはすでに、モレックスのセンサー品質とA2B/ADXL317のシンプルな設計が、共通の顧客ベースに訴求している兆しがあることを目にしています。」

運転体験の最適化と安全性の向上
また、モレックスは、サイレンティアムの「アクティブアコースティック」ソフトウェアを搭載したRNCセンサーの使用試験と検証を実施しています。このソフトウェアにより、広帯域の周波数（20Hzから1kHzまで）全域で最大90％の不快なノイズを排除して、運転者と同乗者の快適性・安全性・ウェルビーイングを改善することできます。特に、道路やタイヤが頻繁に発するハム音や持続低音を排除し、「高速道路運転中の眠気」や運転者の疲労を低減することが重要です。

「モレックスと提携することで、より安全でより快適な運転体験の時代へと進む当社の能力は加速しました」と、サイレンティアム社CEOのYoel Naor氏は述べています。「モレックスのセンサーと当社のソフトウェアをシームレスに統合することで、自動車設計のサイクルを短縮、エンジニアリングコストも削減できています。」 サイレンティアム社のノイズキャンセリングテクノロジーは、業界有数の自動車サプアイヤーおよびOEM企業に受け入れられています。ジャガーとランドローバーは、2020年10月にサイレンティアムのテクノロジーを導入することを発表しました。

モレックス社オートモーティブ：確かな経験
モレックスはほぼ30年間にわたって、自動車業界、特にモバイルデバイスとデータサービスの完璧な相互接続に対するニーズへの対応において重要な役割を担ってきました。当時はモレックスが、大手自動車メーカーのOEM企業に対して、エンジンコントロールとパワートレイン接続ソリューションの95％以上を提供していました。モレックスは、ネットワーキングの伝統と、長年にわたって築いてきた製品の品質および顧客とのコラボレーションに対する定評を活かして、電化、先進運転支援システム（ADAS）、車載高速ネットワーキング、車両アンテナシステム、コネクテッドモビリティソリューション、車車間/路車間通信（V2X）がますます普及する、自動車業界全体の増大する消費者ニーズに応えています。

Automotive Audio Bus®（A2B）テクノロジーは、アナログデバイセズ社の登録商標です。