産業とアプリケーション
ガートナーによると、大手企業がデータ・センターの拡張を再開する一方でハイパースケールデータ・センターも世界的に増加し続けていることから、今年、エンドユーザーのグローバルなデータ・センターインフラストラクチャへの支出は2千億ドルに達すると予測されています。さらに、帯域集約型かつデータ駆動型のサービスの需要が急増してそれがコロナ禍で加速したことも、コンピューティング、データストレージ、ネットワーキングの能力の高まりに拍車を掛けています。企業は後れを取らないよう、大規模集約型のデータ・センター設計を分散型・非集約型アーキテクチャへ移行させていますが、これによって接続にまつわる重大な課題が発生します。
モレックスのデータコムソリューションズ担当プレジデントであるアルド・ロペズ氏は次のように述べています。「現在のエンタープライズデータ・センターやハイパースケールデータ・センターで使用されるさまざまなアプリケーションに対応できる万能の相互接続テクノロジーといったものは存在しません。私たちはお客様とエコシステムパートナーに、将来が保証された相互接続ソリューションの最も広範なポートフォリオを提供することで、新規アーキテクチャへの容易な移行とエンジニアリング開発の簡素化、コスト低減と市場投入までの時間の短縮を実現できるよう取り組んでいます。」
新たな112G AECケーブルで銅ケーブルのイノベーションを推進
モレックスは、自社の銅線相互接続ソリューションに、より高速なデータ転送速度による長距離伝送を実現する新たな112Gアクティブエレクトリカルケーブル(AEC)を追加しました。AECは、光ケーブルの必要なしに伝送距離を最大5メートルまで延長しつつ、より小径の導体にも対応して配線管理を改善させています。AECは、ギアボックス機能とスマートケーブル機能にも対応し、システムレベルの冗長手段を強化させています。
パッシブケーブルと同様に使用できるアクティブカッパーケーブル(ACC)をモレックスの銅線相互接続製品ファミリーに新たに加えたことで、従来よりも長い外部ケーブルの利用が実現します。また、低電流のリニアアンプベースの半導体にも対応するため、電源管理の改善や熱要件の緩和にもつながります。銅線製品のラインナップを強化させる、モレックスが持つ業界最先端のBiPassテクノロジーは、TGAやNearStackコネクター製品ファミリーなど、複数のASIC近傍設置型のコネクターソリューションを用いてクラス最高のシグナルインテグリティを実現しています。
モレックスのストレート嵌合型BiPassは、業界をリードする熱性能と低電流要件を満たしており、データ・センターのカーボンフットプリントを削減できます。BiPassは低レイテンシーでもあり、チャネル性能をエンドツーエンドで確保できるだけではなく、プリント基板(PCB)コストの削減によってTCOを抑えることもできます。
100G光トランシーバーで、変化の激しいデータ・センター情勢に対応
モレックスは、100Gと400Gの光接続および光モジュールテクノロジーの導入拡大に向けた業界全体の取り組みも推進しています。また、ハイパフォーマンスのデータ・センター、クラウド、ワイヤレス接続向け100G/ラムダトランシーバーの完全な製品群の展開を強化しています。
顧客志向・パートナー重視の活動の一環として、モレックスはIEEE規格およびMSA規格に完全に準拠したポートフォリオと製品ロードマップをサポートし、データ・センター内の相互接続とデータ・センター間の相互接続の両方の要件を満たします。光トランシーバー製品ファミリーは、100G-DR、100G-FR、100G-LR、400G-DR4(500mおよび2km)、400G-FR4、400G-LR4、400G-ZR、400G-ZR+、さらには800Gロードマップの製品が含まれ、拡充が進められています。
モレックスのプラガブル光トランシーバーの各モデルはすべて、シリコンフォトニクス、光集積、モジュールアセンブリー、パッケージングに関するモレックスのストレート嵌合型統合の専門知識が活かされています。こうした能力や専門知識を組み合わせ、最適なデータ転送速度と低消費電力をスモールフォームファクターで実現しています。
お客様の声
- アミット・サニヤル氏(イノヴィウム、マーケティング担当バイスプレジデント)
「次世代の相互接続に向けた革新とリファレンスデザインについてモレックスと連携したおかげで、顧客の新たなニーズに対応できます。イノヴィウムのハイパワー、高効率の32ポート800G TERALYNX® 8スイッチは、モレックスのプラガブルQSFP-DD800モジュールとBiPass I/Oテクノロジーを活用して性能と稼働効率の向上を実現し、お客様にも事前試験・検証済みのリファレンスデザインの提供でメリットをもたらしています」
- ランディ・クラーク氏(セレスティカ、プロダクトソリューションズ担当シニアディレクター)
「セレスティカは、パワフルなデータ・センターソリューションに対応するエンドツーエンドのインフラストラクチャシステムを幅広く開発しています。モレックスとの連携において、私たちは、モレックスのストレート嵌合型BiPassを実装した初のリファレンススイッチの開発で112Gシステムに必要な熱およびシグナルインテグリティの性能を実現し、この業界を牽引しています」