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モレックス、「インダストリー4.0の現状」に関する世界規模の調査結果を発表

2021年7月13日

ハイライト


  • 51%が、インダストリー4.0の実現に向けて自社が優先順位を明確に定義していると回答
  • 49%が大きな成功を収めたと報告した一方、53%が2年以内に目標を達成できると回答
  • 業務効率化、生産の柔軟性、高度なアナリティクスが顧客側の利益の促進に寄与
  • 実現に向けた主な障壁は、文化、ビジネスモデル、テクノロジーに関する課題にまで拡大
イリノイ州ライル - グローバルなエレクトロニクス・リーダーであり、コネクティビティ・イノベーターでもあるモレックスは本日、ロボット工学や複雑な機械装置、デバイス、制御システム分野で進展を推進するインダストリー4.0関連メーカーのステークホルダーを対象に実施したグローバル調査の結果を発表しました。その調査結果は、製造ライフサイクル全体の効率とインテリジェンスを高めるスマートオートメーション、コネクティビティ、分析など、産業オートメーションのエコシステム全体のインダストリー4.0関連のイニシアチブの進展が着実に進んでいることを反映しています。

モレックス、インダストリアルソリューション部門のバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーを務めるジョン・ニューカーク氏は次のように述べています。「第四次産業革命を軸にデジタルマニュファクチャリングが実現し、インダストリー4.0が広範囲で進展しているのは喜ばしいことです。確実に成功するには、実用的なアプローチ、組織的な調整、そして運用効率を高めつつ製造の柔軟性向上とコスト削減を達成する安全な接続ソリューションが必要です。」

モレックスは第三者調査会社であるディメンショナル リサーチとの協力により、2021年6月、インダストリー4.0の現状調査を実施し、調査対象の条件を満たすR&Dやエンジニアリング、生産、製造、戦略、イノベーション、サプライチェーンマネジメントといったさまざまな役割の216名から回答を得ました。本調査は、実際のビジネス現場におけるインダストリー4.0の経験および意見に関するデータの収集を主な目的としています。調査回答者は全般として、産業用モノのインターネット(IIoT)とスマートマニュファクチャリングからもたらされる継続的成長、顧客の潜在的メリット、企業が期待できる成果を実証しました。

主な調査結果:

  • 51%が、インダストリー4.0関連の優先項目が経営陣によって明確に定義されていると回答し、49%がすでに成功を収め、21%はまだ投資段階にあると回答
  • 回答者の半数以上が、2年以内に各社のインダストリー4.0の目標が達成されると予測している一方、3分の1はそのマイルストーンの到達に3~5年かかると確信
  • 58%が、デジタルトランスフォーメーションへの投資がインダストリー4.0に向けた取り組みを加速させると回答
  • 44%は、組織や文化への適応が最も克服困難な障壁であると回答

インパクトのある成果とメリットの推進
今回の調査によると、企業にとって最もインパクトのある成果として、より優れた製品の製造(69%)、総製造コストの削減(58%)、収益増(53%)、より低価格での製品提供(35%)、新たなソリューションの市場投入までの時間の短縮(35%)が挙げられました。機械メーカーやロボットメーカー、システムインテグレーターでは、工場の自動化とインテリジェンスを拡大する機会が顧客の大きなメリットにつながると期待されています。

顧客のメリットの中でも最も大きな期待が持てる分野としては、ロボット、機械、その他製造資産の効率向上(58%)、製造ラインの柔軟性の強化(50%)、最新の分析またはデジタルツインの活用によるオペレーションの自己最適化(50%)、設備投資実行前に行う、新たな生産設備の仮想設計およびシミュレーション(42%)、労働生産性の向上(41%)、設備全体のリアルタイムデータへのアクセスのロック解除(26%)などが挙げられました。全体として、今回の調査回答者の相当数(87%)が、先10年のインダストリー4.0の変革の力に期待を寄せていることが明らかになりました。

回答した各組織のインダストリー4.0関連の取り組みにとって最もメリットが大きいと考えられる機能として、十分なインテリジェンスを内蔵した機械が外部とやりとりしながら自らのプロセスを制御する仕組み(53%)、すべての生産ラインと機械へのリモートアクセス(47%)、およびインターネットをはじめとする多様な接続ソリューション(40%)が挙げられました。

根強い課題を克服
第四次産業革命に対する圧倒的な楽観にもかかわらず、実際には文化、ビジネスモデル、技術面の課題があり、その実現が妨げられています。回答者の半数近くが、変化を提唱しないリーダーシップに問題があり、投資から最大限の価値を引き出すことが難しくなっていると指摘しています。その他の文化的な問題としては、データおよび分析スキルを持つ人材確保の問題(35%)、情報やシステムの共有を制限する組織構造(32%)、パイロットプロジェクト向けの資金および人材の不足(30%)、コネクテッドテクノロジーに関する専門知識の不足(28%)などが挙げられました。

回答者のほとんどが、複雑でコストのかかるさまざまな要件を抱え、ビジネスモデルの大きな課題に直面しています。資金調達の意思決定の難しさ(45%)、ROIを複雑にする先行投資(42%)、どのユースケースで最大の成果を得られるのかが不明(40%)といったものです。技術面では、ITとOTのネットワークインフラストラクチャの分離(43%)、通信プロトコルの制限(39%)、リモートアクセスの制限(36%)、製造業のニーズに合わないクラウドインフラストラクチャとデータソリューション(34%)、セキュリティ機能不足(32%)といった多数の障害があります。最終的には、本調査の回答者の85%が、インダストリー4.0の実現に向けた取り組みを活発化させるにはリーダーシップの考え方を変えることが不可欠であると強く思うと回答しています。