産業とアプリケーション
モレックスは現在、ELSISハイブリッド光電子コネクターおよびケージシステムのサンプルを提供しており、CPOの業界的導入に先駆けて、エンジニアが開発・試験を始められるようにしています。現在、3Dモデル、技術的図面、詳細仕様など、完全プラガブルモジュールシステムの設計・開発関係の資料を現在提供しています。モレックスは、2023年第3四半期に、完全に統合されたソリューションをリリースすることを目標にしています。これにより、企業は設計を商品化し、CPOの受け入れ規模に応じて迅速に生産を開始できるようになります。
安全性と温度管理、シグナルインテグリティの課題を解決
CPOは、光接続を、フロントパネルからホストシステム内の高速伝送用ICのすぐ横へと移動できる、次世代のテクノロジーです。「高速伝送用ネットワーキングチップからグラフィック処理装置(GPU)やAIエンジンに至るまで、I/O帯域幅への需要は引き続き上昇しています」と、モレックス社オプティカルソリューションの高度テクノロジー開発担当ディレクターのトム・マラポードは述べています。「オプティクスをASICの近くに配置することでCPOは、シグナル統合・密度・電力消費など、ますます複雑になる高速伝送用電気配線に対応できます。」
従来のプラガブルモジュールは、モジュールのユーザー側に光接続があり、CPO向けに計画されたものなど、高電力レーザーソースと併用する場合に目の安全を脅かす懸念があります。ブラインド嵌合ソリューションのELSISは、ユーザーが光ファイバーのポートやケーブルにアクセスする恐れがなく、完全に外部にあるレーザーソースシステムを提供し、安全かつ簡単な実装とメンテナンスを実現します。
外部レーザーソースを使用すると、オプトエレクトロニクスやICパッケージから主要な熱源を離すことにもなります。また、IC上やプラガブルモジュール内の高速伝送用電子I/Oドライバーを設計から排除でき、機器内の温度負荷や電力消費をさらに削減できます。
実証済みのソリューションで設計を加速
モレックスは、20年以上にわたる数百万ポートの販売実績によって現場での信頼性が実証された、既存の光・電子I/O製品を、ELSISの基礎として使用しています。このため、定評ある現場でのパフォーマンスが保証され、多大なエンジニアリングおよび試験の必要性が軽減されます。一方、提案されている競合CPOソリューションは、広範な検証を必要とするまったく新しい設計であり、市場投入までの時間がリスクになります。
ELSISはまた、包括的なオールインワンソリューションとして優れた利点があります。外部レーザーソースシステムは、光・電子コネクター、プラガブルモジュール、内部ホストシステム光ファイバー用ケーブル、ケージを複雑に組み合わせたものです。モレックスはこれらの要素をすべて社内設計することで、コンポーネントの統合に必要となる長期にわたる設計サイクルを不要にする完全なフルエンジニアリングシステムを構築しました。その結果、設計者とエンドユーザーにプラグアンドプレイ体験を提供する、相互運用性の高い高性能システムが実現されています。これはひとえに、光・電子コネクター、オンカード光ケーブル配線、光電気モジュール、ケージ設計など、モレックス独自の幅広いポートフォリオがあってこそ可能となったことです。モレックスは、これらの性能を社内で統合できる唯一の企業として、業界のCPOへの移行を牽引しています。
欧州光通信国際会議(ECOC)
9月19日から21日までスイスのベーゼルで開催されるECOC2022では、モレックス(ブース番号127)のブースにお立ち寄りください。新規のブラインド嵌合、ハイブリッド光電子コネクターなどをご覧いただき、業界をリードする新しいソリューションを紹介しています。