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モレックス、デジタルヘルスと医薬業界の将来に関する世界規模の調査結果を発表

2021年5月4日

ハイライト


  • 88%が、電子ドラッグデリバリーを極めて、または非常に重要と回答
  • 調査対象とした医薬系企業の3分の1が、市場にデジタル治療を1つ以上提供
  • 電子化のメリットの上位は患者体験、服薬アドヒランス、個別化
  • データのプライバシー、満足度、接続のしやすさ、規制、および技術面に課題

イリノイ州ライル - コネクティビティとエレクトロニクスソリューションで世界をリードするモレックスと、同社の医療機器部門であるフィリップス・メディサイズは、医薬系企業の経営者を対象に、電子ドラッグデリバリーの将来に関する各社のビジネス戦略の評価や実体験その他ご意見を求めて実施した、世界規模の調査結果を発表いたしました。その結果を見ると、回答者の3分の1がすでに1つ以上の治療法を販売しており、デジタル化したドラッグデリバリーの導入の増加を裏付けています。同時に、回答者の65%が、10年以内にほとんどの企業のドラッグデリバリーオプションがデジタル化されると見ています。

モレックスのメディカル&ファーマスーティカルソリューションズ部門プレジデントのポール・チャフィンは次のように述べています。「患者ケアの質を改善し治療成果を高めるドラッグデリバリーのデジタル化への関心が大いに高まっていることを励みに思っています。医薬業界の将来は、データをシームレスかつ安心・安全に収集してつなげ、そして治療を個別化する、使いやすい患者重視の医療機器の設計開発、ならびに服薬アドヒランスの促進にかかっています。」

モレックスとフィリップス・メディサイズは2021年4月、デジタルヘルスおよび今後の医薬業界に関する調査をディメンショナルリサーチに委託して実施し、役職や地域の異なる215名の医療関係者から回答を得ました。回答者はすべて、正確な薬剤量の投与や使用履歴の追跡、診断装置との接続等の患者側から見た様々なメリットと、電子カルテや患者向けの投与量データの記録と共有といった機能を提供するよう設計された、各種電子ドラッグデリバリーデバイス関連のステークホルダーの立場にある方々です。

その他の主な調査結果は以下のとおりです。

  • 回答者の88%が、電子ドラッグデリバリーを今後のプランにとって「極めて重要」または「とても重要」と回答
  • 投資への関心を左右する要素としては、患者エンゲージメント (60%)、競争優位 (55%)、より良いアウトカムが得られる証拠 (54%)、 デジタルヘルスアプリの採用 (47%)が挙げられた
  • 86%が、患者のリモート/セルフケアに対する関心へのコロナの影響は、長期に及ぶと予測
  • 調査に参加した4人のうち3人が、若い世代の方が電子ドラッグデリバリーへの抵抗がないと回答

患者アウトカムの向上
回答者の全員が、患者ケアの改善機会について指摘しています。以下は、改善が期待できると回答のあった上位5分野です。

  • ドラッグデリバリーの個別化により、個々の患者のニーズと期待に応える(57%)
  • より効果的な投薬スケジュールのサポート(55%)
  • 投薬のさらなる正確性の確保(55%)
  • 服薬レジメンの順守度合いの向上(52%)
  • クリニックや病院ではなく、患者の自宅での投薬の許可(48%)

電子ドラッグデリバリーの潜在的メリットを従来の手段と比較した場合、回答者の67%が電子化により「劇的に」または「顕著に」患者アウトカムが良くなると回答しました。電子ドラッグデリバリーソリューションの使用によるビジネス面でのメリットの上位3位までを選択する設問では、医薬業界で意思決定権を持つ立場にある各回答者から、アドヒランス向上による治療費の削減(60%)や、労働集約的な行動支援に的を絞った効率向上(54%)、より効率的かつ柔軟な患者サポート提供方法(53%)などの回答が得られました。

本調査によって共通のテーマーが明らかになりました。アドヒランスの向上とアウトカムの改善には患者ファーストでなければならないという、共通テーマも明らかになりました。患者ファーストは医療コストの削減にもつながっていくと考えられます。New England Healthcare Initiative(NEHI)によると、米国においては、服薬アドヒランスが改善されれば、毎年2,900億ドルもの「医療コストを回避できる」であろうとのことです。NEHIはまた、処方薬を1回以上処方されたことのある1億8,700万人のアメリカ人のうち最大で半数が、処方どおりの服薬を行っていないとも説明しています。

ドラッグデリバリーの電子化の可能性が最も高い上位3つの治療領域として、本調査の回答者は、内分泌/代謝(64%)、呼吸器(57%) および炎症/免疫(52%)の各領域を挙げています。同時に回答者の半数以上が、多種類の薬剤において、電子ドラッグデリバリーによって患者アウトカムが改善されることを期待しています。

課題の克服
電子ドラッグデリバリーの将来に対して肯定的な見通しが述べられてはいるものの、データプライバシーのリスク(40%)、デバイスおよび接続技術が高コスト(39%)、患者側からのインターネット接続の不足(39%)、規制上の懸念(39%)など、回答者の96%からは、電子化の採用を取り巻く課題についての回答も寄せられました。

また、ほぼすべての回答者が、新たな要求項目、たとえば安全で信頼性の高い機器生産(65%)、ネットワークとコネクティビティ(58%)、データのプライバシーおよびセキュリティ(52%)、ユーザーインターフェースおよびカスタマーエクスペリエンス(50%)、業者および治療者へのフィードバック手段(47%)、センサー技術の組み込み(42%)といった要求に対応するための外部の専門家の支援の必要性を指摘しています。

モレックスおよびフィリップス・メディサイズについて
モレックスは、最先端のエレクトロニクス、相互接続、およびセンサーテクノロジーの分野における数十年にわたる経験を活かし、医薬業界向けソリューションの変革をお手伝いします。モレックスの子会社であるフィリップス・メディサイズは、コネクテッドヘルスシステムを活用した市場初のFDA登録済みドラッグデリバリーシステムをはじめとする、世界トップレベルの革新的な医療機器およびドラッグデリバリーソリューションの設計、開発、提供で業界をリードしています。