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2030年のクルマ:コネクテッドホームの延長として

モレックス トランスポーテーション・イノベーティブ・ソリューションズ部門担当シニアバイスプレジデント兼プレジデント
マイク・ブルームグレン

2030年のクルマの外観そして機能はどのようなものになるのか?モレックスが最近発表した「自動車の未来」アンケートでは、未来に期待する多くの回答が寄せられました。その回答の上位を見ると、未来のクルマの大半が、より安全で、コネクティビティのオプションとカスタマイズ体験が満載の電気自動車になると予測することができます。

本調査は、従業員1,000人以上の自動車関連企業に勤務する230人の意思決定者を対象として実施したもので、自動車業界の未来に関する多くの確かなデータを得ることができました。特にモバイルデバイスのスムーズな相互接続やデータサービスに対する需要に応えるという形での、モレックスのこの市場における役割の重要性がますます高まっていくことを実感させられる調査結果となりました。

この調査によって、当社のエレクトロニクスへの集中は正しいという確信も得られました。モレックスは30年近くにわたり、自動車業界で一定の投資を継続し、技術力を高めてきました。これまで当社は大手自動車OEM企業の95%以上に、エンジン制御およびパワートレイン用接続ソリューションを供給しています。調査の回答者がイノベーションの最も重要な2分野として挙げた、電動化とコネクティビティ分野の成長は、モレックスが長年培ってきた高速ネットワーク技術に関する能力で確実にサポートします。

すべて経験が物を言う

この数十年で何度も大きな環境変化を経験してきた自動車OEM各社が見ているのは、コネクテッドカーという将来です。未来の販売店のショールームで、クルマの馬力が話題に上ることはありません。未来の顧客が知りたいのは、展示車に搭載されている充電ポートの数、あるいはディスプレイ画面の大きさです。コンテンツが一番大事になるのは、未来の自動車も同じです。ですから自動車メーカーは、消費者としてのドライバーに最高の体験を実現できる、AppleやGoogleの様な存在になりたいと思っています。

調査の回答者が2030年の標準的なクルマに搭載される機能として予測した上位10の機能には、常時接続と個別化が挙げられているのがそれを裏付けています。

  • 高速WiFi
  • ワイヤレス充電
  • 車車間通信
  • 自動車とモバイルデバイスの統合
  • ビルトインホームスピーカー機能 (例: Alexa、Google Home)
  • カスタマイズ性の高い乗車環境 (防音、湿度、温度、等)
  • 完全音声操作
  • 生体認証によるセキュリティまたはパーソナライズ機能
  • 盗難ゼロ
  • ドライバー監視 (健康状態、注意散漫、酩酊、等)

自律運転の課題を克服

10人中6人の回答者が、2030年には完全電動化したとしても、まだ完全自律運転には至っていないだろうと予測しています。まだハンドルを手放したくないと思うドライバーが存在することから考えても、この回答結果には現実味があります。(私のカリフォルニア生まれの配偶者も、まだ自分で運転したいと言っています。)

とは言うものの、3年前に訪れたCES (コンシューマーエレクトロニクスショー) の会場ではすべてが自動運転車になりそうな気がしたのも事実です。いつかは完全自動運転の時代が来るでしょうが、2030年はまだ早いと私は思っています。技術的にあまりにも多くの課題が残っているのです。その難易度を説明するなら、戦闘機F-35には3千万行のプログラムが必要なのに対し、フォードのピックアップトラックF-150ではその5倍のプログラムを書く必要があります。なぜこれほどの差があるのでしょうか?空中では、転がるサッカーボールを追って道に駆け出してくる子どもを心配する必要はありません。最初の自動運転車は、シャトルバスや、FedExやUPSの配達トラック、そしてAmazon初の配車サービスを目指す自律運転車であるZooxなど、用途を限定したものになるはずです。

イノベーションによるコスト削減

自動運転車に必要な機能は、安くはないのです。2030年のクルマの価格は、その複雑さから、現在の同等のクルマよりも高価になるだろうと回答者は予測しています。クルマの価格を押し下げる要素としては、エコシステム全体でのイノベーションの影響度合いが最も高くなるだろうということです。

最も多かったのは、今後10年でバッテリーコストの大幅な低減が期待できるという回答でした。実際、ブルームバーグ ニュー エナジー ファイナンス (NEF) によると、バッテリー価格は2030年までにキロワットあたり58ドルにまで値下がりすると予測されており、特に固体電池の性能も十分に安定して車載用のメインストリームになると見られています。調査での投票結果を見ると、ソフトウェアの統合および製造プロセスの改善が、コスト削減領域の上位にきています。

しかし、これでもまだ課題は残ります。消費者の間でグリーンな電気自動車が受け入れられるようになっても、これに応えるに十分な充電ステーションがあるでしょうか?リチウムその他のバッテリー材料の必要量をまかなうだけの、十分な天然資源があるでしょうか?私たちはバッテリーをリサイクルするノウハウを持っているでしょうか?業界はこのような問題に挑んでいかなければなりません。

2030年の車両においては電子部品が大きな役割を果たすようになることから、モレックスは今後も電子部品が最も必要とされるコネクティビティの分野でのイノベーションを加速し続けます。当社の世界各地の拠点およびオートモーティブのエコシステム全体で長く評価される卓越性は、電動化から先進運転支援システム (ADAS)、車載高速ネットワーク、車載アンテナシステム、コネクテッドモビリティソリューション、車車間/路車間通信 (V2X) の領域にまで及ぶものです。

130年の歴史のある自動車業界において、最近のイノベーションのスピードは驚異的としか言えません。20年前、自動車産業が驚きと画期的な進歩に満ちていたことが、私が西海岸からデトロイトに移った理由の一つです。自動車とエレクトロニクス業界の創造力を集めて、すべての人にとってのドライビング・エクスペリエンスがどのように再定義、変革されるのか今から待ちきれない思いです。

この数十年で何度も大きな環境変化を経験してきた自動車OEM各社が見ているのは、コネクテッドカーという将来です。考えてみてください。販売店のショールームで車の馬力が話題に上ることはありません。顧客が知りたいのは、展示車に搭載されている充電ポートの数、あるいはディスプレイ画面の大きさです。コンテンツが一番大事になるのは、未来の自動車も同じです。ですから自動車メーカーは、消費者としてのドライバーに最高の体験を実現できる、アップルやグーグルのような存在になりたいと思っています。

調査の回答者が2030年の標準的なクルマに搭載される機能として予測した上位10の機能には、常時接続と個別化が挙げられているのがそれを裏付けています。

  • 高速Wi-Fi
  • ワイヤレス充電器
  • 車車間通信
  • 自動車とモバイルデバイスの統合
  • ビルトインホームスピーカー機能(Alexa、Google Homeなど)
  • カスタマイズ性の高い乗車環境(防音、湿度、温度など)
  • 完全音声操作
  • 生体認証によるセキュリティまたはパーソナライズ機能
  • 盗難ゼロ
  • ドライバー監視(健康状態、注意散漫、酩酊など)

自律運転の課題を克服

10人中6人を超える回答者が、2030年には完全電動化したとしても、まだ完全自律運転には至っていないだろうと予測しています。まだハンドルを手放したくないと思うドライバーが存在することから考えても、この回答結果には現実味があります。(私のカリフォルニア生まれの配偶者も、まだ自分で運転したいと言っています。)

とは言うものの、3年前に訪れたCES(コンシューマーエレクトロニクスショー)の会場ではすべてが自動運転車になりそうな気がしたのも事実です。いつかは完全自動運転の時代が来るでしょうが、2030年はまだ早いと私は思っています。技術的にあまりにも多くの課題が残っているのです。その難易度を説明するなら、戦闘機F-35には3千万行のプログラムが必要なのに対し、フォードのピックアップトラックF-150ではその5倍のプログラムを書く必要があります。なぜこれほどの差があるのでしょうか? 空中では、転がるサッカーボールを追って道に駆け出してくる子どもを心配する必要はありません。最初の自動運転車は、シャトルバスや、FedExやUPSの配達トラック、そしてAmazon初の配車サービスを目指す自律運転車であるZooxなど、用途を限定したものになるはずです。

イノベーションによるコスト削減

このような新しい機能や能力は、安くはないのです。2030年のクルマの価格は、その複雑さから、現在の同等のクルマよりも高価になるだろうと回答者は予測しています。クルマの価格を押し下げる要素としては、エコシステム全体でのイノベーションの影響度合いが最も高くなるだろうということです。

最も多かったのは、今後10年でバッテリーコストの大幅な低減が期待できるという回答でした。実際、ブルームバーグ ニュー エナジー ファイナンス(NEF)によると、バッテリー価格は2030年までにキロワット時あたり58ドルにまで値下がりすると予測されており、特に固体電池の性能も十分に安定して車載用のメインストリームになると見られています。調査での投票結果を見ると、ソフトウェアの統合および製造プロセスの改善が、コスト削減領域の上位3位にランキングしています。

しかし、これでもまだ課題は残ります。消費者の間で環境にやさしい電気自動車が受け入れられるようになっても、これに応えるに十分な充電ステーションがあるでしょうか? リチウムやその他のバッテリー材料の必要量をまかなうだけの、十分な天然資源があるでしょうか? 私たちはバッテリーをリサイクルするノウハウを持っているでしょうか? 業界はこのような問題に挑んでいかなければなりません。

2030年の車両においては電子部品が大きな役割を果たすようになることから、モレックスは今後も電子部品が最も必要とされるコネクティビティの分野でのイノベーションを加速し続けます。当社の世界各地の拠点およびオートモーティブのエコシステム全体で長く評価される卓越性は、電動化から先進運転支援システム(ADAS)、車載高速ネットワーク、車載アンテナシステム、コネクテッドモビリティソリューション、車車間/路車間通信(V2X)の領域にまで及ぶものです。

130年の歴史のある自動車業界において、最近のイノベーションのペースは驚異的としか言えません。およそ20年前、自動車産業が驚きと画期的な進歩に満ちていたことが、私が西海岸からデトロイトに移った理由のひとつでした。自動車とエレクトロニクス業界の創造力を集めて、すべての人にとってのドライビング体験がどのように再定義、変革されるのか今から待ちきれない思いです。


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