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静電容量式タッチパネルテクノロジーと設計のトレンド

物理的なボタンからタッチスクリーンや静電容量式タッチスイッチへの急速な移行は、スマートフォンの幅広い普及と、ユーザーインターフェイス構造で活用されるテクノロジーや材料の進歩によって加速されました。タッチスクリーンは液晶画面の上に透明な表層を施していますが、静電容量式タッチスイッチには、あらかじめ決められた場所にキーやスライダーがあり、それらは固定グラフィックの向こう側にあります。静電容量式センサーに指が近づくと、センサーが指定エリア周辺の電場の変化を感知し、タッチの発生がマイクロチップに報告されます。静電容量式センサーには直接接触れる必要はありません。実際、ソフトウェアを使ってタッチの強さや長さを較正することができます。

センサーの感度や精度の進化、そして、「ボタン」を表示するフィルムやオーバーレイの進化によって、静電容量式タッチの表面はエレガントで耐久性・柔軟性を備えたものになりました。そのため、正しいツールや材料を使用すれば、様々なケース、コンポーネント、機能に適用できるようになっています。経験豊富なモレックスのようなサプライヤーと提携することで、メーカーおよび設計者は静電容量式インターフェイス(センサー、オーバーレイ、接着剤など)のコンポーネントは、特定の製品用に最適することができます。

コンポーネントと機能の設定

現在の静電容量式インターフェイスは様々なカスタマイズオプションがあり、幅広い種類の消費者製品・工業製品に活用できる理想的なソリューションとなっています。オーバーレイの材料は、非導電で指が近くに来たときに静電容量式センサーが感知できる程度に薄ければ、プラスチック、ガラス、木材など何でもかまいません。色、形成ファサード、質感、バックライトなど幅広い意匠的なオプションでカスタマイズでき、スリークなイメージを実現できます。パルチファセットパネルにスライダー、ホイール、近接センサーを組み込むこともでき、曲面にも取り付けることができます。

オーバーレイはシームレスであるため、掃除も簡単です。また、重要な感度、反応時間、近接度合いはソフトウェアで調節できるため、パネルは極めてカスタマイズしやすくなります。オーバーレイの下にある静電容量ソリューションは、従来のプリント基板(PCB)や柔軟なポリイミド回路、あるいはプリントポリエステル回路を利用できます。静電容量テクノロジーは以下の理由で耐久性にも優れています。

  • 摩耗や破損の恐れがある機械的コンポーネントがない
  • 危険な化学物質、EMIや汚染の影響に強い
  • 環境条件に応じた防水加工が可能

設計上の課題を克服する

静電容量テクノロジーは数十年にわたって使われてきました。特により高度なアプリケーション、あるいは精緻なアプリケーションで新しい材料やアプローチが採用されると、設計上の課題を克服する一助となります。例えば、センサーのキー配置が近すぎると、センサーを正しく較正することが難しい場合がありますが、センサーをグラフィック表示の上に接着することができれば、もっと間隔を空けることができます。静電容量フォイルを備えた接着剤を利用すると、オーバーレイとセンサーの間に空気が入る可能性が低くなり、より効率良くアセンブリすることができます。そして、FR4ボードを使った設計では、曲面に静電容量式スイッチを入れることが難しい可能性がありますが、シルバーフレックス回路などの柔軟な基板がソリューションになります。

適切な材料を選ぶ

モレックスのようなサプライヤーは、継続的に新しい材料やプロセスを探求し、多種多様なアプリケーションで静電容量式タッチの性能を信頼性の高いものにしています。新しく生まれたソリューションの一つがシルバーフレックスです。これは、伝導性のシルバーインクを非伝導性基板にプリントした電子回路です。この方法は小型化に役立ち、PCBを排除することすらできるため、コストや空間を節約することができます。

アセンブリ方法によっては、シルバーフレックスの性能はカスタマイズできます。曲面に使用することができ、透明の伝導性材料や接着剤を使用する場合は、アプリケーションにバックライトやインモールドデコレーションを施したプラスチックなどを追加してレベルアップすることができます。

静電容量式のタッチが材料やテクノロジーの進化によって信頼性や適応性の高いソリューションとなるにつれ、消費者向け・産業向けアプリケーションの随所に使われるようになっています。ただし、アプリケーションに最適な静電容量回路を実現するには、適切なコンポーネントを選ぶことが極めて重要です。使用するオーバーレイ、接着剤、回路の種類、エレクトロニクスなどを考慮します。モレックスのような、機械・電子・ソフトウェアの専門知識を備えた経験豊富なサプライヤーと提携することで、設計者はコスト・信頼性・美的要素を損なうことなくクリエイティブなソリューションを採用することができます。