産業とアプリケーション
燃えるプラスチックのひどいニオイ:ほとんどの人は、これが、電気系の何かが過熱しているか、オフにする必要があることを意味すると分かっています。しかし、これが食洗機や冷蔵庫で、誰も家にいないとしたら?
家庭の火災の脅威は世界的な問題です。事実、2009年にAustrian Standards Instituteの消費者委員会により委託された研究によると、世界中の火災の大半(約60%)が家庭で発生しており、ほとんどの火災による死亡事故は自宅で発生しています。家庭の火災の大半で電気機器が出火原因となっているため、家電業界では防災措置が必須となっています。
無人装置を安全にする
国際電気標準会議(IEC)は、家電製品の過負荷の回路または過熱した部品の潜在的影響を試験する方法を策定しました。例えばIECは、無人で起動することが多い家電製品に対して、IEC 60335-1で特定の安全基準を設けています。そのようなアプリケーションの電子コネクターは、基準を遵守するためにグローワイヤー試験に合格しなければなりません。試験は、公共を危険に晒す原因となり得る家庭用以外の無人装置(自動販売機など)にも適用します。2001年以降、ヨーロッパやアジアの国々では、家庭での火災を防ぐためにIEC基準を導入してきました。
グローワイヤー試験の対象となる製品例:
- 洗濯機
- ドライヤー
- 食器洗い機
- オーブン
- 電子レンジ
- 換気扇およびフード
- 冷蔵庫
- フリーザー
- 給湯器
- エアコン
- 自動販売機
目標は、ワイヤーが過負荷になった際にコネクターのプラスチック素材が発火する傾向を分析することです。原材料と完成品の両方がグローワイヤー試験を受けます。
モレックスのグローワイヤー製品
モレックスは、完成品に対する試験(IEC-60695-2-11試験手法)を行い、製品を2回起動させます。試験用サンプルは安定した位置に、下にティッシュペーパーを敷いた状態で締め付けられます。その後、最初にエレメント(またはグローワイヤー)を750°Cで加熱し、試験用サンプルに30秒間押し当てます。サンプルが発火した場合は、発火中に、その高さと試験用サンプルの溶解した滴があれば記録します。試験は850°Cで繰り返されます。コネクターの素材は、以下の状態で合格となります。
- 発火しなかった、または、発火した場合は試験用サンプルを加熱したエレメントから離した後30秒以内で自然に消火した。
- 試験用サンプルが溶解し出した場合は、下に敷いたティッシュペーパーが滴によって発火しなかった。
モレックスのグローワイヤー準拠製品ライン
モレックスでは、家電業界によって義務付けられている安全性・環境要件をすべて満たすグローワイヤー対応コネクターを幅広い種類で展開しています。このようなコネクターの多くは、最高の機能と、消費者の安全を実現しながら設計のニーズにも応える幅広い選択肢を提供しています。