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デジタルトランスフォーメーション:効果的なカスタマーイネーブルメントを実現するために必要なこと

マイク・ギレシ
最高デジタル責任者

デジタルトランスフォーメーションは、ここ数年で非常に多くの意味を持つようになった用語の1つであり、ほとんどの産業分野で決まり文句となっています。この言葉が使い古され、時に乱用されていることには同意しますが、企業が、お客様中心のビジネスモデルを取り入れたときに起こる変容を表現するには、今でも適切な方法です。

モレックスでは、デジタルトランスフォーメーションは考え方であり方法論です。両者とも、カスタマーイネーブルメントの向上に重点を置いています。当社は、部門横断的なコラボレーション、データ主導のプロセス、革新的なデジタルテクノロジーを通じてこれを実現します。来月以降、デジタルトランスフォーメーションがモレックスのお客様体験の向上と社内業務の効率化を実現し、すべての人にさらなる価値とより良い成果をもたらすためのさまざまな方法についてのインサイトをお伝えします。

最近のマッキンゼー社の調査によると、コロナは、お客様とサプライチェーンとのやりとりのデジタル化を数年早めたとのことです。このデジタルチャネルへの急速なシフトは、あらゆる業界のあらゆる組織レベルに影響を与えます。コロナに関連するさまざまな課題への対応において、デジタル化は間違いなく一役買っていますが、モレックスのデジタル変革の旅は、しばらくの間、進行中でした。

2019年10月にチーフデジタルオフィサーとしてモレックスに入社して以来、私は、高度なお客様体験を軸としたデジタル化戦略の重要性を痛感してきました。製品開発、エンジニアリング、サプライチェーン、製造、流通、お客様サービスなど、さまざまな業務をシームレスかつ効率的につなげる必要があります。また、従業員が正確なデータにリアルタイムでアクセスできるようにして、お客様との約束を確実に果たせるようにする必要があります。同様に重要なのは、テクノロジーを近代化し、データ主導のツールを追加し、革新的なソリューションを導入して成果を加速させることです。

誰もが消費者

ロイヤルカリビアンクルーズ ライン、トリー バーチ、ゴディバショコラティエでは、最高のカスタマーエクスペリエンスを提供することで、消費者と強い関係を築くことに熱心に取り組んできました。このコンセプトは、当初は、消費者直接取引で定着しましたが、現在では企業が、企業間取引モデルにおいて自社の価値を差別化するための重要な要素となっています。確かに、当社とのやりとりのほとんどはビジネスパートナーとのものですが、当社が関わるすべての人は消費者です。

当社のお客様は、モレックスでの体験を日常生活での最高の体験と比較し、評価しています。ウーバー社、アマゾン社、ドアダッシュ社から、要求された商品またはサービス以上の価値を提供することに超重点を置いている他の企業まで、さまざまです。お客様と関わり、価値を実現する方法を継続的に進化させなければ、利用可能な価値創造の機会を最適化することはできません。

第2に、従業員が、自分の仕事とお客様のバリューチェーンとのつながりを理解することが重要です。特定のワークストリームや取引プロセスをお客様レンズを通して見ることで、お客様に好まれ、信頼されるパートナーになるにはどうすればよいか、より深く、より広い視点が得られます。それは、単に願望的な観点からだけでなく、業務的な観点からもです。

消費者と直接関係を持たない企業であっても、顧客第一の考え方が必要です。このことは、マスカスタマイゼーションおよびパーソナライゼーションに対する需要の高まりに応える製品を設計する上で、特に重要です。当社は、お客様のビジネスとその市場をより深く理解することで、製品開発および新製品導入の能力が大きく向上することを実感しています。

デジタルネイティブ企業の思考

私の過去の経験から得たもう1つの貴重な教訓は、デジタルネイティブ企業が市場にもたらすスピードと機敏さです。変化するお客様の要求や嗜好に迅速に対応できるだけでなく、これらの組織は、実用的なビジネスインサイトを活用して、突然の市場シフトおよび混乱に予測および対応することができます。そして、ほとんどの場合、その方が良い結果を生むのです。

トランザクションプロセスの自動化だけでなく、処方的かつ予測的アナリティクスによる意思決定の高度化にも、人工知能および機械学習を活用することが不可欠です。データは唯一にして最大の資産です。それを最大限に活用する企業が勝ち残るのです。

自分の真北を見つけるには? Google Cloudのプラットフォーム担当バイスプレジデント兼ヘッドであるアミット・ザヴェリー氏は、賢明なアドバイスをくれました。「デジタル変革を、技術的なプロジェクトとして終わらせるのではなく、お客様が、次に何を望むかに応じて常に進化できるような、永続的な機敏さの状態として考えてください」。

デジタル変革はチームスポーツ

デジタルネイティブ企業のように考え、行動することで、モレックスはサプライチェーン戦略を最適化するためのデジタルツールの採用を充実させています。このアプローチはまた、当社の製品設計および新製品導入能力を再定義し、製造とフルフィルメントをスピードとスケールで合理化するのに役立ちます。

今月は、モレックスのデジタル変革へのイニシアチブと、それが、お客様・従業員・パートナー・その他の重要なステークホルダーにとって何を意味するかについて、組織全体の同僚から話を聞きます。これらの努力は「ワンモレックス」の旗印の下に行われ、一貫したグローバルなオペレーティングモデルによって、お客様と組織に大きな利益をもたらしています。

当社は、従業員の経験が、お客様の期待を満たし、それに応えられるようにすることで、この成果を達成します。また、デジタルプログラムを実行し、テクノロジーアーキテクチャーを近代化し、データを活用することで新たな機能を生み出し、情報が企業の資産となるようにすることで、これを達成します。これにより、当社のチームは、付加価値の高い成果に時間を集中させられるようになり、多くの時間を浪費している現在の手動プロセスの多くを取り除くことができます。この統合的なアプローチは、お客様第一の考え方と、人材、プロセス、テクノロジーを包括するデジタルトランスフォーメーションへの全体的なアプローチに沿ったものです。

各プロセスのステップおよび技術的な移行において、当社は、自問自答を繰り返します。新機能は、お客様の価値を高めるような方法で設計されていますか? カスタマーエクスペリエンスの重要な改善を推進しながら、誰もが仕事をしやすくなっていますか?

効果的なお客様エンゲージメント、イネーブルメント、エクスペリエンスは、進化するデジタルトランスフォーメーション戦略の成功と進捗を測るためのリトマス試験紙となります。当社は、お客様のために、この旅が私たちをどこへ連れて行ってくれるのか、とても楽しみにしています。