産業とアプリケーション
ほとんどの場合、コネクターのアプリケーションは、はんだ付けが関係してきます(クリンプ接続とIDT接続を除く)。そのため、コネクターの選択に関し、先決すべき問題として1つの質問をしています。
どのようなはんだ付けプロセスか?
この質問に対する回答によって選択肢を得られ、間違った製品の推奨を防ぐことができます。モレックスは、製品説明または製品仕様のいずれかの形でウェブ上で多くを説明するように努めていますが、鉛フリーはんだ付けプロセス(>+250°C、5秒間)について言うと、このプロセスを詳細に理解することが鍵となります。
ウェーブはんだ付けか? SMTリフローか? 顧客はピンインペースト方式を望んでいますか?
溶融したペグが基板の下に入り込まないように鉛フリーウェーブはんだ付けの温度を下げた(その結果、不十分なはんだ付け継手が作成された)顧客のケースを何とか克服したことがあります。鉛フリー環境において、錫メッキされた鉛のニッケル下地を用いた製品のみを使用するようにしてください。
また、ハウジングの溶融も確認したことがあります。このケースでは、別の顧客が鉛はんだ付けの温度から鉛フリーはんだ付け温度に変更した時にピンが落下しました。このケースにおいて、当社ははんだ付け温度と耐熱性の間の差異を説明しなければなりませんでしたが、これは製品仕様に明示されています。
当社は、リフローはんだ付け時のマイクロミニチュアコンポーネントの動きを検証しました。これは、火葬場で撮影された数本のハリウッド映画を思い出させるものでした。
はんだ付けプロセスを理解することは、すべてのコネクター販売員だけではなくコネクターユーザー全員にとって重要です。今回は、さまざまなはんだ付けプロセスの概要を取り上げます。
標準的なのは単層および二重層のピュアプロセスです(ウェーブはんだ付けまたはSMTリフロー)。
メモ: THT = スルーホールテクノロジー | p&p = ピック&プレース | SMT = 表面実装
単一の基板にウェーブとリフローの両方を使用するその他の混合型はんだ付けプロセスも存在します。
メモ: THR = スルーホールリフロー(別名: PiP(ピンインペースト)またはPiHR(ピンインホールリフロー))
上記は、はんだ付けプロセスそのものだけを考慮しています。リフロープロセス中のプラスチックの温度安定性に関して言えば、状況はもっと複雑になります。既に数年前、モレックスはSurface Mount Compatibleとして製品を定義しました。これらの製品は、任意の鉛フリーリフロープロセスで簡単に使用できるLCP(液晶ポリマー)ハウジングを備えた製品であるか、ガラスが充填されたポリアミド樹脂絶縁体を備えた製品であり、これらは一般的にリフロープロセス全体の実行能力があります。しかし、PA(ナイロンとしても知られています)は吸湿性があります。そのため、部品が高湿環境に保管されてPAが吸湿すると、リフロープロセス中に急激な温度変化が生じ、ブリスター(別名: ポップコーン現象)が発生する可能性があります。ブリスターは主に表面的な問題ですが、プラスチックの絶縁特性を劣化させる可能性もあります。
PA絶縁体を有するコネクターをリフロープロセスで使用する際、警戒する必要があります。低湿度での保管は、スムーズなはんだ付けプロセスの鍵となります。部品が吸湿すると、特に製品がテープ&リール仕様の場合、材料の除湿に数週間かかる可能性があります。
製造ラインで使用されるはんだ付けプロセスに適した製品を選択するにあたり、上記の点でご不安がなかったことを願います。まだ疑問に感じておられる場合は、当社のプレスフィット製品をご検討ください。