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AECケーブルソリューションの準備が整っているか否かを判断する4つの質問

アクティブ電気ケーブル(AEC)は、機器を交換しないアップグレードによりデータ・センターを強化できるケーブルオプションを提供するので、管理者は最小限の中断時間で、サーバーラックの追加やデータ・センターの総規模の拡大を行えるようになります。

著者: クリス・カプシチンスキー
銅ソリューション事業部、製品開発マネージャー

著者: チャド・ジェイムソン
I/Oソリューション担当ゼネラルマネージャー

読了時間: 8分

新しいデータ・センターの構築や既存のデータ・センターの再設計・再構成を行う場合、機器、サーバーの配置、熱性能について考慮することが最も重要です。同様にもっと重要であり、緊急性が高い可能性があるものは、アップラインとダウンラインの運用と性能にさまざまな影響を与えかねないケーブルのオプションです。ケーブルの種類を変えるだけで、データ品質の向上、設置にまつわる課題の軽減、熱的条件の緩和が可能になります。しかし、どのケーブルがいつ、最も適しているかを理解することは、拡張性と信頼性の高い効率的なデータ・センターのアップグレード(または構築)方法を見極める最初のステップになります。

クラウドアプリケーションの普及に伴い、データ・センターへの依存度はますます高まっており、さまざまな関連性もあることから、一貫した信頼性の高いサービスは重要な課題となっています。そこで、データ・センターの重要な課題においてアクティブ電気ケーブル(AEC)が注目を浴びています。AECは、直付け銅線(DAC)ケーブルと光ファイバーケーブルの中間的な存在です。AECは、最大7.0mまでクリーンな信号を提供するように設計されており、DACよりも小さいため、冷却に必要な設置面積が小さくなり、設置しやすくなります。予算面から帯域幅まで、AECは機器を交換せずにアップグレードする必要がある最新データ・センター向けのケーブルオプションを提供し、管理者は最小限の調整でサーバーラックの追加やデータ・センターの総規模の拡大を行えるようになります。

一方、DACは現在のデータ・センターにおいて引き続き重要な役割を果たしています。チャネルの長さ、損失バジェット、消費電力を最小限に抑える手段にまつわる質問は重要であり、その答えはおそらく各企業に固有のものです。最終的なケーブル配線を決定する要因は非常に多く、データ・センターのオプションを調査する際に何を知る必要があるのでしょうか。

パッシブケーブル、リニアアンプ、それともリタイマー?

DACなどのパッシブケーブルは、電子部品を最小限に抑え、消費電力も少なく、コスト面でも有利です。また、パッシブケーブルは低レイテンシーでもあります。そもそも運用とデータアクセスをリアルタイムで行う必要がある現在、低レイテンシーはますます重要な機能になっています。しかし、112Gbps PAM-4(パルス振幅変調技術の一種)で800Gbps/ポートの環境でより長い距離を使用する場合、パッシブケーブルはデータ損失の問題があり、従来の2メートル以上の56Gbps PAM-4到達は不可能でした。

AECは、ケーブルの両端に1つずつ配置されたリタイマーを用いてデータ損失の問題を解決します。リタイマーは、データ信号がAECを経由して入出力される時にデータ信号を整えます。AECに内蔵されたリタイマーは、よりクリーンな信号を生み出し、ノイズを除去し、信号を増幅させて、さらにクリーンできれいなデータ伝送を実現します。

アクティブ電子コンポーネントを含むもう1つのタイプのケーブルであるアクティブカッパーケーブル(ACC)は、リタイマーではなくリニアアンプを提供します。リタイマーはケーブル内のノイズを除去または低減しますが、リニアアンプはそうではありません。つまり、信号を再調整せずに増幅するだけであるため、ノイズも増幅してしまいます。結論としてはどうなるのでしょうか? リニアアンプは安価なオプションですが、リタイマーははるかにクリーンな信号を提供します。実際にどちらを採用するかは、アプリケーション、要求される性能、予算によって異なります。

また、リタイマーはプラグアンドプレイのシナリオで成功する可能性が高くなります。例えば、トップオブラック(TOR)スイッチとそれに接続されるサーバーのベンダーが異なる場合、リニアアンプ付きのケーブルでは、許容されるシグナルインテグリティ性能の維持が困難になる可能性があります。データ・センターの管理者が、個々の機器タイプを同一ベンダーから調達したり、既存の機器を交換して上から下まで単一ベンダーのソリューションを構築したりすることに関心を持つ見込みはありません。その代わり、ほとんどのデータ・センターの場合、さまざまなベンダーの機器を組み合わせて使用しているため、チャネルが保証された既存のインフラに新しいサーバーをうまく「プラグアンドプレイ」させるためにリタイマーを使用する可能性が高くなります。このケースにおいて、リタイマーは大幅なコスト削減にもなります。

112G PAM-4-DACまたはAECにおけるチャネルの長さは?  

コストと電力が最も重要な問題であり、DACが112Gbps PAM-4、800Gbps/ポートのチャネルの長さにサービスを提供するデータ・センターの場合、パッシブDACが適切なソリューションである可能性があります。しかし、2.0mを超える長さのチャネルの場合、パッシブDACは機能しないかもしれません。

一方、AECは最大30dBの拡張損失バジェットを提供し、リタイマーはボックス間(例: スイッチからサーバー)の最大7.0mまでの長さで優れたシグナルインテグリティを提供します。したがってAECは、1.5/2.0mを超える長さの場合、光ファイバーよりも低コストの実行可能な代替策になります。

DACとAECは熱の問題にどう影響するか?

AECとDACはさまざまな状況に対して異なるソリューションを提供しますが、予算上の制約が常に最大の決定要因の1つです。予算にまつわる大きな課題の1つは、消費電力と、その結果として生じるシステム冷却に必要な放熱です。

DACはパッシブであり、最小限の電力しか使用しないため、データ・センターで発生する熱が大幅に増加することはありません。AECは電子コンポーネントで構成されているため、電力を消費します。しかし、AECはDACよりも長いものの、直径が小さく、導体も34AWGほどの大きさしかありません。ケーブルの質量が少ないということはインピーダンスも低いということであるため、空気の流れが良くなり、熱問題も緩和できます。これらはすべて、特定のアプリケーションをサポートする上でどのケーブルを導入するのが最適であるかを判断するための重要な検討事項です。

ケーブルの管理については?

ケーブル配線管やトレイには、サーバーを接続する25~50本の大きなケーブル束が入ることが多く、比較的太いDACケーブルを主に使用するため、管理が難しく、スペースに大きな制約が生じます。

AECは損失とタイミングをリセットできるため、より小さなケーブル束で効率的に信号を伝送することができます。その結果、AECはDACと比較して軽量で曲げ半径が小さいため、配線が容易になり、ケーブル管理を改善できます。

新しいデータ・センターの構築や既存のデータ・センターの再設計・再構成を行う場合、機器、サーバーの配置、熱性能について考慮することが最も重要です。同様にもっと重要であり、緊急性が高い可能性があるものは、アップラインとダウンラインの運用と性能にさまざまな影響を与えかねないケーブルのオプションです。ケーブルの種類を変えるだけで、データ品質の向上、設置にまつわる課題の軽減、熱的条件の緩和が可能になります。しかし、どのケーブルがいつ、最も適しているかを理解することは、拡張性と信頼性の高い効率的なデータ・センターのアップグレード(または構築)方法を見極める最初のステップになります。

クラウドアプリケーションの普及に伴い、データ・センターへの依存度はますます高まっており、さまざまな関連性もあることから、一貫した信頼性の高いサービスは重要な課題となっています。そこで、データ・センターの重要な課題においてアクティブ電気ケーブル(AEC)が注目を浴びています。AECは、直付け銅線(DAC)ケーブルと光ファイバーケーブルの中間的な存在です。AECは、最大7.0mまでクリーンな信号を提供するように設計されており、DACよりも小さいため、冷却に必要な設置面積が小さくなり、設置しやすくなります。予算面から帯域幅まで、AECは機器を交換せずにアップグレードする必要がある最新データ・センター向けのケーブルオプションを提供し、管理者は最小限の調整でサーバーラックの追加やデータ・センターの総規模の拡大を行えるようになります。

一方、DACは現在のデータ・センターにおいて引き続き重要な役割を果たしています。チャネルの長さ、損失バジェット、消費電力を最小限に抑える手段にまつわる質問は重要であり、その答えはおそらく各企業に固有のものです。最終的なケーブル配線を決定する要因は非常に多く、データ・センターのオプションを調査する際に何を知る必要があるのでしょうか。

パッシブケーブル、リニアアンプ、それともリタイマー?

DACなどのパッシブケーブルは、電子部品を最小限に抑え、消費電力も少なく、コスト面でも有利です。また、パッシブケーブルは低レイテンシーでもあります。そもそも運用とデータアクセスをリアルタイムで行う必要がある現在、低レイテンシーはますます重要な機能になっています。しかし、112Gbps PAM-4(パルス振幅変調技術の一種)で800Gbps/ポートの環境でより長い距離を使用する場合、パッシブケーブルはデータ損失の問題があり、従来の2メートル以上の56Gbps PAM-4到達は不可能でした。

AECは、ケーブルの両端に1つずつ配置されたリタイマーを用いてデータ損失の問題を解決します。リタイマーは、データ信号がAECを経由して入出力される時にデータ信号を整えます。AECに内蔵されたリタイマーは、よりクリーンな信号を生み出し、ノイズを除去し、信号を増幅させて、さらにクリーンできれいなデータ伝送を実現します。

アクティブ電子コンポーネントを含むもう1つのタイプのケーブルであるアクティブカッパーケーブル(ACC)は、リタイマーではなくリニアアンプを提供します。リタイマーはケーブル内のノイズを除去または低減しますが、リニアアンプはそうではありません。つまり、信号を再調整せずに増幅するだけであるため、ノイズも増幅してしまいます。結論としてはどうなるのでしょうか? リニアアンプは安価なオプションですが、リタイマーははるかにクリーンな信号を提供します。実際にどちらを採用するかは、アプリケーション、要求される性能、予算によって異なります。

また、リタイマーはプラグアンドプレイのシナリオで成功する可能性が高くなります。例えば、トップオブラック(TOR)スイッチとそれに接続されるサーバーのベンダーが異なる場合、リニアアンプ付きのケーブルでは、許容されるシグナルインテグリティ性能の維持が困難になる可能性があります。データ・センターの管理者が、個々の機器タイプを同一ベンダーから調達したり、既存の機器を交換して上から下まで単一ベンダーのソリューションを構築したりすることに関心を持つ見込みはありません。その代わり、ほとんどのデータ・センターの場合、さまざまなベンダーの機器を組み合わせて使用しているため、チャネルが保証された既存のインフラに新しいサーバーをうまく「プラグアンドプレイ」させるためにリタイマーを使用する可能性が高くなります。このケースにおいて、リタイマーは大幅なコスト削減にもなります。

112G PAM-4-DACまたはAECにおけるチャネルの長さは?  

コストと電力が最も重要な問題であり、DACが112Gbps PAM-4、800Gbps/ポートのチャネルの長さにサービスを提供するデータ・センターの場合、パッシブDACが適切なソリューションである可能性があります。しかし、2.0mを超える長さのチャネルの場合、パッシブDACは機能しないかもしれません。

一方、AECは最大30dBの拡張損失バジェットを提供し、リタイマーはボックス間(例: スイッチからサーバー)の最大7.0mまでの長さで優れたシグナルインテグリティを提供します。したがってAECは、1.5/2.0mを超える長さの場合、光ファイバーよりも低コストの実行可能な代替策になります。

DACとAECは熱の問題にどう影響するか?

AECとDACはさまざまな状況に対して異なるソリューションを提供しますが、予算上の制約が常に最大の決定要因の1つです。予算にまつわる大きな課題の1つは、消費電力と、その結果として生じるシステム冷却に必要な放熱です。

DACはパッシブであり、最小限の電力しか使用しないため、データ・センターで発生する熱が大幅に増加することはありません。AECは電子コンポーネントで構成されているため、電力を消費します。しかし、AECはDACよりも長いものの、直径が小さく、導体も34AWGほどの大きさしかありません。ケーブルの質量が少ないということはインピーダンスも低いということであるため、空気の流れが良くなり、熱問題も緩和できます。これらはすべて、特定のアプリケーションをサポートする上でどのケーブルを導入するのが最適であるかを判断するための重要な検討事項です。

ケーブルの管理については?

ケーブル配線管やトレイには、サーバーを接続する25~50本の大きなケーブル束が入ることが多く、比較的太いDACケーブルを主に使用するため、管理が難しく、スペースに大きな制約が生じます。

AECは損失とタイミングをリセットできるため、より小さなケーブル束で効率的に信号を伝送することができます。その結果、AECはDACと比較して軽量で曲げ半径が小さいため、配線が容易になり、ケーブル管理を改善できます。

AECとDACの比較: スナップショット

データ・センターが最適化された効率と速度でデータ需要に対応するには、AECとDACの両方のアセンブリーが不可欠です。データ・センターの管理者は、AECとDACの独自の機能を明確に理解することで、それぞれの固有の状況や要件に最適なオプションを決定することができます。

AEC

メリット デメリット 
損失とタイミングプレーンをリセット(信号の再生成、ノイズ除去) 電力(およそ6~12W)が必要であるため、熱が発生
30dBの延長損失バジェットでは、より長いケーブル長が可能(最大5.0~7.0m) DACと比較すると、低ボリュームでコストが増加
ASICとI/O間で、DACより自由度の高い設計が可能(インボックスチャネル量が増えるため)レイテンシーが増加 
DACよりもケーブル束が小さいため(例: 34AWG)、配線が容易で空気の流れも改善 

DAC

メリット デメリット 
電子機器を含まず、完全にパッシブ 損失長の制限(平均すると、400Gbpsアプリケーションで3.0m、800Gbpsで2.0m)
最小限の電力を使用 大きなケーブルゲージが必要(26 AWG以上)
AECや光ファイバーよりも低レイテンシー ケーブル束が大きいため、ケーブルの引き回しが難しくなり空気の流れも阻害 
AECや光ファイバーより低いコスト  
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モレックスのケーブルは、業界をリードする専門知識と製造信頼性を組み合わせ、データ・センターに最適化された配線と接続性を提供します。モレックスのAEC 112Gbps PAM-4ソリューション、DACアセンブリー、zSFP+コネクター付きのTurbo DACアセンブリーについての詳細は、当社のウェブサイトをご覧ください。

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