産業とアプリケーション
特徴と利点
これまで、高速データ伝送を実現するには、高速イーサネット(100MB)の場合はツインワイヤ2本、ギガビットイーサネットの場合はツインワイヤ4本が必要でした。モレックスのT1 SPEコネクターシステムとケーブルアセンブリーにより、わずか2本の結線によるデータのイーサネット伝送と、パワーオーバーデータライン(PoDL)による端子への最大50Wの同時給電が可能になります。
メーカーのその生産設備の運用に、モノのインターネット(IoT)や産業用モノのインターネット(IIoT)への依存を高めています。IIoTのメリットを最適化するためには、現場からクラウドまでのセンサー/アクチュエーターを統合するための費用効果が高く信頼性の高い方法が不可欠です。このため、ネットワークに対する継続的で将来を見据えた考え方が必要になります。モレックスのT1 SPEコネクターシステムおよびケーブルアセンブリーにより、エンドツーエンドのIP通信を使って、機器やセンサー/アクチュエーターテクノロジー、その他多くのものをバリアフリーで接続できます。
工場フロアでのスマート機器の使用の増加に伴いIIoTに必要なセンサーなどのデバイスも小型化しており、このため、ケーブルやインターフェースのサイズも小さくする必要があります。また、産業現場におけるスマートデバイスやセンサーの普及は、ケーブルの管理が難しくなることを意味します。モレックスのT1 SPEケーブルアセンブリーは、26 AWG(T1 SPE IP20)および22 AWG(M12 T1 SPE IP65/67)の大きさのツイストペア1本を使用するだけです。
産業別アプリケーション
アクチュエーター
コントロールパネル
駆動装置
ファクトリーオートメーション
機械対機械通信
プロセスオートメーションと制御
ロボット工学
スマートセンサー
バルブ
この製品のアプリケーションはこれに限定されるものではありません。一般的な使用例の一部を紹介しています。
よくある質問
インダストリー4.0には、なぜシングルペアイーサネット(SPE)技術が必要なのでしょうか?
産業プラントのデジタル化で、イーサネット配線の必要性はますます高まっています。実のところ、ほとんどの場合、伝送速度は問題ありませんが、インダストリー4.0とIIoTでは、ケーブルの延長と小型化/微細化という新たな要件が生まれています。その結果、標準化委員会によってSPE技術が採用され、次世代通信アーキテクチャの定番になっています。
SPEによって初めて、産業オートメーションのあらゆる面でイーサネットがコスト効率よく使用できるようになりました。このSPE技術では、1対の結線で10Mbpsから最大1Gbpsのデータ伝送速度に対応、ケーブルは問題なく最大1,000mの長さにまで延長できるため、理想的です。
従来のイーサネットと比較した時のSPEのメリットは何でしょうか?
従来のイーサネットでは2対または4対の結線が必要であったのに対し、SPEはわず1対です。この新しい編成により、ケーブルのコストも重量も抑えられます。ケーブルおよびコネクターのスリム化により、最大50Wの出力を持つPoDLをはじめ、最も精巧なセンサーを現場レベルで包括的に接続できます。つまり、非常に狭い場所でも電源とデータインターフェースの両方をセンサーに供給できます。
SPEのデータ伝送速度はどのぐらいでしょうか?
産業用センサーの標準規格であるIEEE 802.3bp 1000BASE-T1に準拠したシングルペアイーサネット技術により、わずか1対の銅線で1Gbpsの伝送速度を達成できます。IEEEの専門家は現在、高分解能のセンサーやビデオ伝送に必要とされる、最大10Gbps(IEEE 802.3ch)というさらに高速なデータ伝送速度の規格に取り組んでいます。
さらに、10Mbpsの規格(IEEE 802.3cg)の策定も進んでいます。この規格では、最大1,000mの伝送距離に対応しており、このためほとんどフィールドバスに取って代わることができます。