産業とアプリケーション
モレックスの副社長兼マイクロソリューション事業部部長、ジャスティン・カーは次のように述べています。「キーサの無線チップ間技術は、ミリ波アンテナ接続におけるモレックスの開発を補完し、高速伝送データ通信の高まる需要に応えます。私たちは、モバイルおよびコンスーマ向けデバイスの顧客に向けて常にテクノロジーの限界を押し上げ続けています。次世代の無線接続のニーズに対応しつつ、製品設計をより自由にしているのです。」
デバイス間通信の合理化
モバイル製品や消費者向け製品の小型化、薄型化、スマート化が進み、デバイス間通信の合理化の必要性が増しています。同様に重要なことは、ディスプレイ、カメラ、その他の主要モジュールからのデータ転送容量の増加を可能にするなど、モバイルデバイス内部における通信の効率化です。今回買収した技術により、物理ケーブルまたはコネクターの必要性の排除に加えて、ペアリングと信頼性についての懸念も軽減することができます。また、完全密封型の、防水、防塵のパッケージで、アライメント公差も広いため、製造性を考慮した設計も向上します。
買収した技術は、Wi-FiやBluetoothが干渉しない場所で60GHz周波数帯で最大6Gbpsのデータレートで動作します。小型の低消費電力、低レイテンシー、ソリッドステートの非接触コネクターは、最小限のコストでクリティカルなデータ伝送ニーズに対応します。飛躍的に高いデータ転送速度と全二重通信に対応することにより、モレックスはこれらの現在の機能を進化させていく計画です。さらに、モレックスは長年にわたるシグナルインテグリティについての専門知識とミリ波アンテナ技術を活かして、新しい非接触型コネクターの商品化を迅速に進め、既存の製品ポートフォリオを拡充します。
モレックスはまた、プロトコルの非効率性を解決するためにキーサが開発したバーチャルパイプI/O(VPIO)技術を活用します。1つ以上のリンクを通じて同時伝送される低速・高速伝送プロトコルを収束することにより、VPIOは、リンクパフォーマンスの完全性に影響を与えるイベントのリアルタイムな補正に寄与します。VPIOと非接触型コネクターを組み合わせて使用することにより、機械式コネクターの制約から解放され、アプリケーションの要求に対応し、調整や拡張が可能な、拡張性と効率性の両方に優れた入出力製品を作成できます。
市場のモメンタムを推進するための戦略的投資
モレックスはこの技術に基づく次世代製品を開発するために米国とインドで25名以上のエンジニアのチームを立ち上げました。このチームは当初、高容量モバイルアプリケーションのユニークな接続ニーズに焦点を当てます。これは非接触コネクターが、製造、保守性、信頼性、信号集約とセキュリティの設計に潜在的なメリットを提供する分野です。長期的にモレックスはこの技術を、スマートファクトリー、自動車の先進の安全機能、医療用ロボット等の新しい適用分野に活用していきます。
モレックスのコーポレート開発ディレクターであるエリック・ヴァンアルスタインは次のように述べています。「モレックスは、ワールドクラスソリューションへの投資に長年注力してきました。これは、モバイルおよびコンスーマ向けデバイスメーカーにとっての現在の問題の解決だけでなく、将来の課題も予測して行われます。キーサの技術とIPの買収決定は、機械式接続と非接触接続の両方のイノベーションを選択できるサプライヤーとして当社の立場を強化しました。」
モレックスのコンシューマー・コマーシャル ソリューション
重要な接続を提供するモレックスのレガシーは、5G、ミリ波、同軸、シグナルインテグリティ、アンテナ、電力、カメラ、およびディスプレイテクノロジーにおける実証済みの専門知識によって、モバイルデバイスのエコシステム全体に広がっています。モレックスは、高精度、大量生産、および小型化により、市場のダイナミックな需要に対応しながら、主要なモバイル機器メーカーとそのサプライヤーに現在入手可能なコネクターの中で最小、高密度、最先端のコネクターを提供しています。