産業とアプリケーション
この1年で、世界と私たちの生活は幅広く変化しました。働き方からショッピングなどの方法に至るまで、パンデミックは消費者の行動や期待事項に大きな変化をもたらしました。その結果、遠距離のコネクティビティはかつてないほど重要になっています。
モレックスは、この現実を鋭い目で重視し続け、当社の革新的なソリューションだけではなく、顧客に信頼性とサービスを提供することに重点的に取り組む世界一流のサプライチェーンを活用し、業界全体のお客様がコネクテッドな世界を実現できるよう支援しています。
その中心にあるのは、当社のお客様、サプライヤー、従業員の間の相互利益に関する共通のビジョンに立脚するグローバルな組織です。モレックスは、当社のチームが顧客により優れたサービスを提供し、サプライヤーと連携して価値を生み出すようパワーを与える能力について継続的に評価し、それに対する投資を続けています。こうした重要な能力のひとつが「デザイン・フォア」の考え方です。「デザイン・フォア」は、モレックスが新製品開発(NPD)中に適用するもので、当社の製品ライフサイクル全体におけるサプライチェーンの弾力性強化を実現します。
実効性の高い「サプライチェーンのためのデザイン」戦略の効果により、パンデミック中にテストを実行し、ロックダウン、新しいプロトコル、前代未聞のロジスティクス関連の事象に対応してきました。サプライチェーンの世界的混乱はパンデミックだけのものではないことを忘れるのは簡単です。テキサス州の大寒波、スエズ運河における貨物船の航行妨害、中国南部の停電、日本で発生した半導体工場の火災など、今年発生したあまり知られていない事象はすべて、需要と供給の混乱を引き起こしました。
モレックスでは、サプライチェーンの潜在的脅威の予測・緩和を新製品開発(NPD)ライフサイクルが始まる時に開始します。NPD調達は、エンドツーエンドのインテリジェントデジタルサプライチェーンに向けた連携をスタートさせます。当社は、4つのNPD調達戦略を適用してサプライチェーンを強化し、最適な顧客体験を提供します。つまり、「アーキテクチャのためのデザイン」「サプライチェーンのためのデザイン」「調達のためのデザイン」「市場投入までの時間」です。
アーキテクチャのためのデザイン
「アーキテクチャのためのデザイン」手法では、顧客とサプライチェーンパートナーの双方が深く連携し、サプライチェーンの弾力性と信頼性が製品開発にとって極めて重要な部分であることを確認します。新しいデータ駆動型のインテリジェンス機能を活用し、当社はコンポーネントの選択性をデザインインし、テクノロジー、材料、カテゴリー、サプライヤー、市場に関する実用的なインサイトを活かして、当社の設計者がより優れた製品アーキテクト上の決定を下せるよう支援します。モレックスは、リアルタイムデータへのアクセスによって機会とリスクに関する情報を得られるため、設計フェーズで発生しかねない障害に対処する計画を策定し、製品の成熟に合わせて調整することができます。モレックスの最終目標は、当社が提供する製品のライフサイクル全体において顧客に信頼性とクラス最高のサービスを提供することです。
サプライチェーンのためのデザイン
「サプライチェーンのためのデザイン」では、原材料の購入や他の調達元を通じた購入から製品のデリバリーに至るまで、エンドツーエンドのサプライチェーンリスク評価および緩和を推進します。ここで、新製品開発チームはカテゴリー管理およびその他のサプライチェーンのステークホルダーと緊密に連携し、緊急時対応計画、代替調達先などを策定する包括的なインテリジェンス能力を活用します。高度な「サプライチェーンのためのデザイン」では、製品ライフサイクル全体のリスク緩和に取り組みます。
調達のためのデザイン
「調達のためのデザイン」手法では、優先サプライヤーが相互利益の最大化に向けて活用されていることを確認し、また、当社のサプライチェーンの信頼性とコンプライアンスの確保に向けた防護手段を提供します。信頼できるサプライヤーとの関係性を構築することは、NPDとサプライチェーンのセキュリティにとって非常に重要です。
法律と規制の遵守や人道的な慣行という倫理的な問題に加え、例えば紛争鉱石などの領域に関するコンプライアンスを実証した優先サプライヤーを活用することで、コンプライアンスを守らない組織や行動による潜在的な不安定性から当社の製品を保護します。
市場投入までの時間 製品開発と発売のサイクルタイム
プログラムがNPDから製造に進むと、モレックスは新たなサプライチェーンのリスクを継続的に監視し、その緩和を図ります。これは、モレックスのインテリジェントデジタルサプライチェーンの機能を活用し、あらゆる部分の能力に向けた事業継続計画や緊急時対応計画などの積極的なリスク緩和について重要なサプライチェーンステークホルダーと緊密に連携することで実現されます。潜在的な問題を特定し、それに備えることで、モレックスは遅延を防ぎ、タイムリーな製品発売を確実なものにします。
その結果は? 信頼できるソリューションには、信頼できるサプライチェーンだけではなく、ソリューションアーキテクチャ、サプライチェーン、調達にまつわる「デザイン・フォア」の精神と考え方が必要です。さらに、リアルタイムデータへのアクセスにより、機会とリスクの両方を解明するインサイトが明らかになっています。そこに投資を続けてインテリジェントデジタルサプライチェーン機能を推進することは、長期的な成功にとって非常に重要です。しかし、リスク緩和は最も優先されるテーマとして取り上げることが可能です。リスク緩和を早期に開始し、製品ライフサイクル全体で実行することで、NPDプロセスの成功を確実なものにできます。